あわせしょうが<その2>
「セコムの食」2005年冬号で、スタッフの予想をはるかに越えるご注文数をいただいているのが、このあわせしょうが。
日本有数の生姜産地である高知県のなかでも最もメジャーであり味も香りも爽やかな『土佐一』という品種を100%使って生姜と砂糖のみで炊き上げる、『生姜湯のもと』。
その、すーっと抜けるような清涼感溢れる香りと深い甘さに惹かれ取材に向かったのは、真夏の高知、それも炎天下。初日に生姜の産地の取材を終え、今日は朝から釜炊きの作業。
しかし、今日も暑くなりそうだ。
吉本さんによれば、摩り下ろした後にすぐに炊いた場合と、1日寝かせた生姜汁とでは味や香りにかなりの差がでるのだとか。
摩り下ろしたばかりの生姜の荒々しい味わいが、寝かせることで丸く角が取れ、火をかけたときに素直に砂糖と馴染むんでしょうね。
釜に入れた生姜汁を少し口に含んでみると、スカーンと頭の先に抜けるような爽快さがあり、且つ、重厚感もある。その生姜汁をたっぷりと張った釜の中に、きっちりと量った砂糖を投入。

へぇ、上白糖なんですね。
『砂糖にもいろいろありますでしょ、和三盆とか黒糖とかね。わたしも一応いろんな砂糖で試してはみたんですが、やっぱり父から受け継いだ、田舎の懐かしい味を再現するには、上白糖が一番だったんです』。
吉本さんのお父さんは、昭和のモノのない時代に、高知の朝市で生姜湯を飲ませる店を構えていたんだそうです。お父さんの作る生姜汁はとっても甘く、戦後の雑踏のなかで生きる人々にとっては、心和ませる味だったといいます。
だから、吉本さんが作るこのあわせしょうがは、製法も味もあの頃のまま、初めて飲む人にも、なぜか懐かしいと感じさせる味なんですね。
そんなことを考えている間に、釜の中ではぐつぐつと泡が立ち始め、吉本さんと中平さんは代わるがわる釜の淵にくっついていくアクを丁寧に取り除き、泡の大きさや量などを慎重に見極めながらじっくりと炊き上げていく。

・・・・・炊き上げていくはいいんけど、、、。ペンを止めてふと我に帰ると、尋常じゃない暑さが、わたしを包み込んでいた。わぁ!暑い、いや熱い!
で、工房の壁に掛けてある室温計をみて、目がテン(・_・;
よ、よんじゅうよんどぉ?うっそぉ!数字を見たとたんにもっと熱くなり、貧血起こしそうになり、慌てて工房から外に出ると涼しい風がふぅぅっと流れ、気持ちいい~!
だけどラジオニュースによると、今日の日中は38度だって。内も外も尋常じゃないってことだ。
『生姜汁を炊いていると、生姜の成分が湯気と一緒にあがってくるから、他のところよりも暑いんやと思います。いのくちさんも水分だけはしっかり取らないといけませんよ』とお水を渡される。
そうでっしゃろな~。気をつけます。だけど機械に頼ることなく、暑い日も寒い日も人の目と経験とで炊き上げていくからこそ、他にはない自然な味わいが生まれるのだろうし、身近にある植物などを上手に利用して身体を温めたり冷やす知恵を身につけていた昔の人もすごいと思うなぁ。
炊き上がった生姜汁は少し冷やしてから手動の小さな機械を使って瓶に詰め、栓をしてさらに冷やして完成。

それから、わたくしいつものことながら炊き上がったばかりのものを試飲。
氷をめいっぱいいれたコップにあわせしょうがを注ぎ、冷水を入れて一口飲むと、生姜独特のすーーっとした爽やかな香りが際立ってきて渇いた喉を気持ちよく潤してくれました。
うまいなぁ。このあわせしょうが、飲み物としてだけではなく、魚の照り焼きにももってこいだし、煮物にも使える。
わたしなんかは、仕事でピリピリしているときに、よく飲んで気持ちをリラックスさせています。不思議と気持ちが落ち着いてくるんですよね。
是非、1度お試しあれ!

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投稿者 news : 2007年02月26日 11:14 | 2006年セコムの食取材日記
