うすかわまんじゅう<その2>
何ヶ月も待ったあとに、やっと取材できることになった「うすかわまんじゅう」。
朝イチの飛行機に乗るわたしは、前夜の深酒もすっかり消えお気に入りのCDとともに、レンタカーを快適に走らせる。
空は、文句のつけようがない晴天で、この取材にかけるわたしの意気込みが反映されたに違いない。
現地に到着後、まずは生産者の宮川さん一家にご挨拶をしてまずは、お店の裏手にある、使い込まれた作業場に移動。
そこでは、数人の職人さんたちが忙しそうだけど楽しそうに働いていて、その中央で、この店の3代目の宮川久治さんがやや緊張気味な笑顔で出迎えてくれました。

「取材を受ける」という状況に、最初はぎこちなかった宮川さんの笑顔も、いつもの作業を始めてもらうといつのまにか職人の顔に戻り、テンポよく餡を丸める作業や自家製餡の過程をみせてくれました。

「自家製餡」というのは、読んで字の如く、自分の店で餡を作ることなのですが、実はこれ、ものすご~く大変なことなんです。
わたしの知る限り、大手の和菓子屋でも自家製餡している店は数少なく、街角の和菓子屋さんともなると自家製餡するところは、めったにない。製餡メーカーから仕入れるところが大半を占めているのではないでしょうか。
もちろん、自家製餡をしていない店の品質が劣るかというとそうではなく、自家製餡だから美味しいとも限りません。
自家製餡は、職人がたくさんの苦労を背負い込むようなもの。小豆は価格の変動が大きいし、季節や天候にあわせてより良く炊き上げるためには高い技術が必要だし、設備投資だって大変。
だけど、それでも自分にしか出せない味を追求した結果、自家製餡を選んだ職人たちの気概を、わたしは素晴らしいと思うし、宮川さんのうすかわまんじゅうは、確かに美味しい。
でもね、この日の取材で何より驚いたのは「こし餡ってこんなに贅沢なものなの?」ってこと。
小豆を炊いては、水を替えてまた炊いて渋切りをして、半日以上かけてつや良く炊き上げた小豆を、さらに特別誂えの機械で皮と中身の部分に分けていくのですが、皮の部分のなんと多いこと!取り出される中身の、なんと少ないこと!
その作業をみているうちに、大吟醸を仕込む時の精米や更科のそば粉を思い出してしまいました。贅沢に削ることで得られる、雑味のない上品で繊細な味って、貴重なものですもんね。
もちろん、現地では蒸しあがったばかりのうすかわまんじゅうを食べさせてもらいました。

アツアツで渡されたものを、少しだけ冷ましてちょっと湯気が残るような具合になったものを食べてみると、ほんのちょっと
もっちりとした薄皮がほの甘く、歯に心地よい。
こし餡はさらりと舌の上に広がり、ほんのりとした小豆の香りと砂糖の控えめな甘さがバランスよく、決してゴージャスではないけれど、毎日一緒にいたいと思わせるほど、親近感100%。
これまでは、3代目の久治さんが中心となって作業場を切り盛りしていたのですが、今は他の店で修行を終えた5代目の知也さんが、ますます頑張っていくとのこと。ちなみに4代目の憲三さんは、店舗の方をきっちりと仕切る役目。
「セコムの食」でご紹介するにあたっては、パッケージを変更していただき、賞味期限も少し長くなったのですが、甘さをかなり抑えている関係上、夏場は取り扱いをしないことにしました。
だから、このうすかわまんじゅうは、5月(今月)いっぱいでしばらくは、ご紹介することを控えることになっています。いい商品を一番いい状態でお届けするためには、その商品の個性を大切にすることが肝要なんですね。
このうすかわまんじゅうはね、実は冷凍にするとかなり美味しいんです。シャーベットみたいな食感になってねわたしのオススメな食べ方なんです。
ご注文の一時締め切りまで、あと1週間。他のうすかわまんじゅうとの違いを、ぜひ味わってくださいね。


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・ うすかわまんじゅう 20個
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投稿者 news : 2007年02月26日 17:19 | 2006年セコムの食取材日記
