京都大納言のおぜんざい<その2>

美味しいおぜんざいを探し始めて、何年もかけてやっと出会った身も心もホッコリとなる、職人手作りのおぜんざい。

生産者の大槻さんの工房を訪ねたのは、お昼ちょっと前で、せっかくだから、お昼でも一緒に食べましょうや、とお誘いいただきお昼をご一緒することになりました。

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工房の2階にあるご自宅にお邪魔して、一応遠慮しながらも目の前に置かれたお皿に箸をのばして、食べてみて、えっ??一流と呼ばれる料亭にも勝るとも劣らないほど美味しいじゃないの。

聞けば、大槻さんは和食の職人でお店も出していたんだとか。もちろん繁盛していたんだけれど、ふとしたきっかけで京都大納言を生産する方々と知り合い、乞われて大納言を使った料理の技術を教えていたんだそうです。

そうするうちに、いつのまにやら京都大納言を使った商品開発の中心人物となり、加えて農家さんの熱い思いに心打たれたこともありおぜんざいやおはぎを作る工房を構え、それにあわせて惜しまれつつお店の方を閉じたんだそうです。

これだけの和食の技術を持っているのに、多くの人に提供できないなんて、とーってももったいないと思う反面、そうしないとこのおぜんざいも生まれなかったんだから、しょうがなくもあり、ありがたくもある。

そんな話を聞きながら、でも、今日は日帰りなのでのんびりしている暇はない。 早速、おぜんざい作りを取材させていただかなきゃ。

場所を1階に移し、まずはこのおぜんざいの”キモ”である京都大納言を拝見。

早速、腰を曲げて60キロ入りの茶袋のなかに手を伸ばし、両手で小豆をすくって顔に近づけてよく見ると、一粒一粒が大きくて艶がよく、、、?? あれ?艶がよくないものもある。

それに正直、これまでの和菓子屋の取材で見てきた小豆と比べると決して、揃っているとはいいがたい。するとわたしの後ろに立っていた大槻さんが、ニコニコしながら理由を教えてくれた。

京都大納言は、虫に喰われやすい品種なんだそうで、大槻さんいわく虫は美味しいものを良く知っているからだそうですが、その分何度も何度も、何度も選別を繰り返さないといけないんだとか。

わたしが手にしたのは、その選別をするまえのもの。で、選別後のものを見せていただくと、あらまぁ綺麗な小豆だこと!

厳しい選定をクリアした京都大納言は、その上品な名前にぴったりのおぜんざいになるべく、大槻さんの手によって、炊き上げては水を変え、それを何度も何度も繰り返していくのですが、でも、度を越すと皮の張りがなくなり、くたびれた味のぜんざいになってしまう。
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関西人らしい饒舌で取材中も面白い話を聞かせてくれる大槻さんも、小さな釜が沸騰し、小豆が上の方でクツクツと舞い始めると徐々に無口になり、小豆の炊き上がり具合をじーっと観察している。
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大槻さんの仕事振りは、一見、飄々としているようであって実は、精密機械のように細かな気使いをしているのが見ていて良くわかる。

おぜんざいもだけれど、大槻さんは料理を作るのが心から好きな生粋の調理人なんだろうなぁ。

おぜんざいの中に入れるお餅も、予想通り自家製で、もち米として抜群の評価を得ている、佐賀県のヒヨクモチを使っているんです。 美味しいわけだよね。

ちなみに、わたしの机の右斜め後ろに鎮座している「セコムの食」専用の冷蔵庫には、このおぜんざいがあと数袋入っているんです。

このおぜんざいが、わたしの近くにあるだけで、なんだかすっかり美味しい気分になっちゃうし、甘いものが好きな人にはついついおせっかい的に、配って食べてもらいたくなるの。

美味しいものは、人を幸せにしますよね!だからわたしは、美味しいものをたくさん見つけたり、たくさん配ったりするの、ホントに大好きなんです。

このおぜんざい、甘いもの好き、特につぶ餡好きの人々をものすごーく幸せにしてくれると思います。

夏場は、冷やしぜんざいにするのも、実はオススメ。ぜひ、一度食べてみてくださいね!
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投稿者 news : 2006年03月16日 | 2006年セコムの食取材日記 | コメント (0)

京都大納言のおぜんざい<その1>

わたしの友人のなかには、わたしが甘いものに興味がないと思っている人が結構いるかも。

それは、わたしの宿命であるダイエットのため、仕事以外の食事ではなるべく甘いものは控えるようにしているからなんですが、でもね、実は甘いもの大好きだし、特にお豆系は結構うるさいんです。

というのも、わたしの母親がお豆さんを煮炊きするのが結構上手で、母がぜんざいを炊いた日には、ご近所さんが集まってきたりしていました。

ま、誰でも自分んちの料理が味覚の基本になるわけで、多分かなり贔屓が入っているとは思うんですが、とりあえずわたしはとっても美味しいと思っていたわけです。

だから、ぜんざいもこの仕事を担当して早い段階から商品を探し、店頭でぜんざいを見つけては、店の有名無名を問わず買いまくって試食していたんです。

だけど、ことごとくNG。

あーぁ、やっぱり販売するとなるとレトルトにしたり機械製造になったりするから、家庭の小さなお鍋でコトコトと炊いたようなものを期待すること自体、無理なのかも・・。となかば諦めかけていたところに、一本の電話が!

『うちなぁ、おぜんざい作ってるんやけど、1度試食してもらえんやろか?』

あんまり商売っ気も感じない、のほほーんとした大阪弁でおじさんがおっしゃるので、とりあえず試食のサンプルを送ってもらうようにお願いして、美味しいといいなぁと思いながら、商品の到着を待ちました。

実は、このおじさんからの一本の電話を受けたとき、わたしはとってもいい予感がしていたんです。

それは、言ってみればバイヤーの勘、いや動物の勘!

ちなみに、わたしを良く知る友人からは「いのくちは右脳だけで生きている」とよく言われますが、なにしろいい予感がしたんです。

そして、わくわくしながら待つこと数日。届いた商品をみてみるとカチンカチンに冷凍されていてお餅も1袋に1つついている。

解凍してお鍋で温めて、湯気がほんわりと立ち昇るところをまずは、スプーンですくって食べてみると、、、、。

あーっ。 この味だーっ!この小豆の皮の丁度いい硬さ、噛んだときに中から出てくる粒子のコク、そしてこのなんとも絶妙な甘さ。強くなく、かといって弱くもない、切れのいい甘さがね、わたしの味覚を魅了するぅぅ。

そして、餅ものびーる、のびーる!杵搗きだわね、きっと。いや~、嬉しいよ~!あまりにも懐かしい味だ。子供のころ、食べたあの味が実家に帰らずして食べられるなんて感動だわぁ。

早速、おじさんに電話をして、あ、おじさんの名前は大槻さんというんだけど、取材に伺いたい旨を伝えたところ、「そうやろ、美味しかったやろ。あれはな、めちゃめちゃ丁寧に炊いてるからな」と笑いながら答えてくれた。

そして、日程を調整して大阪にある大槻さんの工房に向かうことになったのですが、お昼前に来てほしいといわれたので、時間通りに伺うと、ご飯を一緒に食べましょう、とのこと。大槻家のお昼ごはんにお邪魔することになりました。

食卓に並べられたのは、ごま豆腐や野菜の炊き合わせやお吸い物などだったのですが、食べてみてびっくり! 美味しいのなんの!ごま豆腐なんて食べた瞬間に、思わず旨い~!と叫んでしまったくらい。

『ははぁ、そうか。旨いか。よかった。ごま豆腐も手作りやで』

え?ウソでしょっ?!プロの料理人でもでもこんなに美味しいごま豆腐なんてそうは作れないってば。とろんとしてて、舌の上でごまの風味がふわ~っと広がって、これ、商品としてご紹介したいくらいやわ。

すると大槻さんが『わたしな、以前は和食の調理人やったんや。店構えてな、評判よろしかったんよ。それが、いろんな縁から今は、ぜんざい作ってるんやけど。たまにな、お客さんとか来たら、作って出してあげるんよ』。

へぇ~、そうなんだ!もったいなぁい!こんなに美味しいもの作れるなんて、すごいやないですか!お店再開してくださいよぅ。

でも一体、なにがどうしておぜんざいを作ることになったんですか?

、、、つづく
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投稿者 news : 2006年03月16日 | 2006年セコムの食取材日記 | コメント (0)

豆板餅/彩り餅

「セコムの食」でとても息の長い商品のひとつ、豆板餅。

お餅というと、お正月に食べるものというイメージがあるものの、豆板餅に関しては、真夏だって売れてしまう、人気商品のひとつなんです。

生地のなかに黒豆がたっぷりと入っていて、焼くと香ばしいし、生産者グループである農家さんたちが、自分たちが育てたもち米を使って、お餅を搗いているから、その愛情の入れ方もたーっぷりなわけなんです。

その豆板餅も加えて、バラエティ豊富な「彩り餅」のなかに2006年冬号から加わったのが、六穀餅!

そこで新年早々、この六穀餅の搗きたてを食べるべく、石川県にひとっ飛びしてきました。

いつもはレンタカーを借りて、現地を訪ねるんだけど、今回ばかりはあまりの豪雪。生産者の方に、お迎えにきてもらい、工場に到着。
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駐車場に積もった少しの雪さえも、南国育ちのわたしには乗り越えるのに困難をきたし、えっちらおっちら、および腰でそれでもなんとか、転ばずに事務所に入ることができました。あぶない、あぶない。

で、お茶をいただく間も惜しんで、早速準備してくれた白衣に着替え、餅を作っている作業場を取材させてもらうことに。だってね、この日わたしは朝ごはんを我慢して抜いてきたんだもん。お腹が空きすぎたら、性格悪くなっちゃうじゃないですか。

業務用の餅つき機といっても、臼も杵もそんなに大きくはなく、スイッチを押すと、上から杵が等間隔で降りてきて、下にあるもち米を搗いていくもので、その隣ではシュワシュワと真っ白な湯気をあげながら、ちょうどお米が蒸しあがったところ。

ちょっと食べさせてもらうと、ん~~、ぎゅっとしまっていて甘みもしっかり含んでいて、さすがに美味しい!いいあんばいで、もち米とうるち米が混ざっている。

ふと横の台に目を移すと、今回の六穀餅に搗きこむ色とりどりの穀物たちが、並べられていて、それぞれつき込むのにちょうどいい具合に火が通されている。

美味しそうに見えるものは、全て口の中に運ばなきゃ気がすまないわたしは、もちろん一つずつ食べてみました。

黒豆は、六穀のなかでも一番大きく親分肌なだけあり、味が濃くてほっこりしていて、キビはプチプチとしていてやわらかい甘さがあるし、粟は思ったよりももっちりとしている。

それから、小豆はそのまま食べるとちょっと硬めに仕上げてあるんだけど、それは自宅で焼くときにちょうど良い食感と香ばしさに仕上がるようにとの配慮だそう。さすがだね。

さて、では餅つき開始!機械のスイッチを入れ、蒸し揚げた白米2種を入れ、順番に穀物を投入していくと、白い生地が少しずつ色づいてきて小豆が入ってまもなく、淡いピンクへと変化していく。

搗きあがったものは、打ち粉を引いた台の上に乗せて計量したあと、斗棒と呼ばれる箱のなかに急いで詰めてぎゅっぎゅっと押しながら形を調えたあて、一昼夜ゆっくりとねかせて、はい、出来上がり!
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そして、わくわくしながら待っていたわたしの掌に、「熱いから気をつけて」といいながら、おばちゃんが出来たて、搗きたて、ほっかほかのお餅を渡してくれました。

待ってました!食べてみると、「当ったり前でしょ!」と言わんばかりに、生地がモチモチ伸び伸び~としていて、まずはもち米の深い甘さをしっかりと感じる。そのあと、それぞれの穀物が噛むたびに、違う味を主張してきて、まさに6変化の美味しさ。

この餅、かなりのハイレベル。だってただ練り込んだだけで、こんなに美味しく仕上がる分けない。穀物の配合量も、かなり研究したんだろうなぁ。旨いよ、旨い!

この日に食べたお餅は小豆がちょっと硬かったけど、おうちで焼くと、いい感じに火が入って、さらに美味しくなるんだよね。すばらしい!個人的には、看板である豆板餅よりも好き!

新年早々、とっても幸せになれる商品の取材、ラッキーでした!みなさんも、是非いちど食べてみてくださいね。
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彩り餅
豆板餅小セット
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さとやのサンゲタン<その2>

暑い暑い2005年、夏のある日。ローカル列車に乗って、やっとたどり着いたところは、この商品の生産者。

たっぷりの滋味と繊細な味わいに、心まで豊かになるわけですが、さて、ではその美味しさの秘密を取材させていただきましょう。

まずは、メインの食材である鶏は、もちろん国産で信頼のおける養鶏場で育った、やや大きめのものを仕入れています。それを一羽ずつ丁寧に下処理するんですが、この作業が一番大変なんだそう。

一羽そのまま煮込むってことは、そのまま味に反映するってことで、ほんの少しでも余計なものが残っていたり、きれいに処理されなかったら臭みが出たり、味が劣化してしまうんです。

それに鶏は比較的傷むのが早いから、この下処理は家族総出で、一斉に行う作業。

そして次に、この鶏の中に材料を詰めていくのですが、さすがにプロですね、ほんと慣れた手つきです。

まずはナツメを奥に詰めて栓のようにして、お米がバラバラとならないようにして、そこにキュッともち米を流し込む。

それから栗を入れ、高麗人参は食べやすいように手で割いて、最後に足を交差させて、中身が出ないようにして完成。で、じっくりと煮込んでいくんです。

じっくりと煮込んでいくんですが、富山さんは圧力釜は使用せず、数時間かけて大鍋でクツクツ煮込むんです。細かく火の調整をして、噴かないようにしながら、浮いてくるアクをことごとく、すくい取り、すくい取り、すくい取る。
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圧力釜だと、このアクをすくう作業ができないし、時間は短縮することできるけれど、肉も柔らかくなるけれど、富山さんは、ご自身が作るサンゲタンに何よりも繊細さを求めているんです。

あれだけのアクをそのままスープの中に溶け込ませてしまうのと、全てすくい取ってピュアなスープにするのとでは、味に雲泥の差がでるのは必至。

さらに富山さんは、化学調味料等を使わずに鶏の旨みをさらに引き出すために、ある工夫をしているのですが、これは企業秘密なので、、、内緒! (^^ゞ

この工夫にたどり着くまでには、ものすごい時間と試作を繰り返したんだそうです。旨いものに近道は無いのだ。

そして待つこと、数時間。富山さん自慢のサンゲタンが完成!で、早速試食させていただくことに。

韓国のサンゲタンは、比較的小さな鶏を使うことが多く、それに比べると、富山さんのサンゲタンはかなり大きめ。韓国製の土鍋に入って出てきたものの、わたしひとりで食べれそうにはないくらいの大きさ。でも食べちゃうけど。

では、いただきまーす!ん~~、味が繊細! 旨みがじわじわ、ほんとに美味しいの。

「美味しいですか?」との富山さんの質問に、わたし、心の底からうま~い、って言っちゃいました。

すると、富山さんが、『うちのサンゲタンは美味しいと思って下さるか、美味しくないって言われるかどっちかなんです』という。

それは、化学調味料に慣れた舌の方には、ひと口目のインパクトが物足りないからなんだそう。

そうかもしれない。人工的な味に仕上がった商品と比べるとこのサンゲタンは、淡白な味に感じてしまうかもしれない。でも、ゆっくりと口に含み、じわじわと舌に染み込ませていくと深い深い鶏の旨みが、柔らかく広がっていくの。

あーもう、あのときの味を思い出してたら、あのサンゲタンをたべたくなっちゃったよぅ。

このサンゲタンを口にすることがあったなら、是非、ゆっくりとじっくりと食べてみてください。もちろん、薬味なんて入れちゃダメですねん。

そしてわたしは、富山さんのサンゲタンが、本場の味に負けるとも劣らぬことを証明するために、本日より韓国に自主取材を敢行!

同行メンバーは、いずれ劣らぬツワモノ揃い。酒量にいとめはつけない面々ゆえ、ちと不安ですが、、、。

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さとやのサンゲタン
さとやのサンゲタン土鍋つき

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さとやのサンゲタン<その1>

今年の夏は暑かった。暑かった。その暑い夏のある日、わたしは、JR九州の小さな駅のホームの端っこで、20分に1本の電車を待っておりました。

汗を拭き拭き、携帯から会社に仕事メールを出していたら、列車が到着するアナウンスが流れ、早く涼しい車内に乗りたいとじっと待っているけれど、目の前に電車は現れない。

現れないんだけど何故か発車ベルがなり、ドアが閉まりますというアナウンスが。・・・・へ?

意味がわからずあたりを見回すと、わたしが立っているホームのずーーーーーっと向こうに、たった2両編成の電車が見える。うそーっ!

それから慌ててホームの端から端まで、全力ダッシュしたものの無情にも電車はガタンガタンと動き出し、わたしの額の汗は3倍増。 (-_-;

田舎の駅ではよくあることで、15両分くらいあるホームに止まる電車が1両とか2両編成だったりする、あのトリックにこの暑さのなか、わたしは引っ掛かっちまったわけですね。

とほほ。。。。。あと20分、この蜃気楼が起こるほどの暑さと、耳にしがみつきそうな、セミの鳴き声のなかで待つのか、、。

セミより、わたしの方が泣きたいわい。

そのうえ今日の取材商品は、冬号で採用予定のサンゲタン。暑くて熱くて、すごいことになるんじゃなかろうか。

しかし、待つこと20分。ローカル列車のなかは、天国のように涼しく、目的の駅に到着するまでに、暑さもわたしの眉間のシワもすっかり落ち着いたとたん、自分が空腹なのに気づき、がぜん、サンゲタンを食べるのが待ち遠しくなってきた。

そうだよそうだよ、たどり着くまでに苦労したときほど美味しいものに巡り合ってきたじゃないか。

改札を抜け、歩くこと約5分。真っ赤な暖簾が印象的な韓国料理店にたどり着いたわたしは、元気に扉を開け、生産者にご挨拶。

笑顔で出迎えてくれた富山さんは、電話での印象通りとても丁寧な方で、笑顔から誠意が伝わってくる感じ。冷たいお茶で一息ついたあと、早速サンゲタンの取材をすることに。
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富山さんの店では、サンゲタンが何種類かあるのですが、わたしが「セコムの食」でご紹介したかったのは、こちら。

さとやのサンゲタン 鶏のみ
さとやのサンゲタン 土鍋、スプーン、箸つき


わたしね、これを初めて食べたとき、いや、正確には食べ終わってから少し経ったくらいに、なんだか身体の細胞のすみずみまで元気になるようなパワーを感じたんです。

化学調味料を使ってないので、最初にガツンというインパクトはなく、どちらかというと淡い口あたり。そして限りなく繊細で、薬味もいれちゃダメなくらい。

まずは、塩をいれずに味わってみて、鶏そのもののスッピンの旨みを味わうと、やわらかで、すーっと伸びやかな美味しさが口の中に広がり、良質な鶏を使っているのがよくわかる。

つぎに添付の塩を入れてみると、さっきとは一転して味がグッと引き締まり、シャープなコクが楽しめる。

そこに胡椒を少々振ってみると、さらに複雑な余韻が生まれことごとく、鶏の旨みを堪能できる。

じっくりと煮込んだ鶏肉を口に運ぶと、ほろほろとほぐれ皮はとろんとゼラチンを擁し、詰めたご飯は粥のように柔らかく当然のことながら鶏の滋味をたっぷりと含んでいるんですね。

美味しいんだよね~、美味しいんだよね~。心まで満たされる繊細な美味しさなのよね~。

『でも、いのくちさん。このサンゲタンにたどり着くまでには、ものすごい道のりだったんです』と富山さん。

そうでしょう、そうでしょう。こんなに美味しいものがいとも簡単に作れるなんてこと、あんまりないですもんね。そのご苦労を、教えてください!

・・・つづく
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さとやのサンゲタン
さとやのサンゲタン土鍋つき

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大山さんの明太子<その2>

ちゃっきちゃきの九州オンナの大山さんが作る明太子に惚れて、向かった先は、福岡の田舎の小さな小さな駅。

突然の訪問にビックリした様子の大山さんだったのですが、あっという間に仲良くなってしまい、明太子をつくる工房を覗かせてもらうことに。

奥の工房は、ちょっと大きめのキッチンって感じ。女性が二人で切り盛りしているだけあって、とても整頓されていてこれまで取材してきた明太子の工場の雰囲気とはゼンゼン違う。

機械と呼べるものはなく、寸胴鍋が2つあるのみで、材料として揃えてあるものも、昆布とかみりんとか塩とかだけで、添加物らしきものは一切ない。
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そして、透明の大きなタッパーがいくつか冷蔵庫の中に並べてあり、そのなかに同じ向きにおかれた明太子は、赤いダシのなかでプカプカと漬かっていて、なんだか気持ちよさそう。

美味しそうな明太子を目の当たりにして、すぐにでも取材を始めたいくらいなんだけど、今日のところはご挨拶だけ、ってことで、また日を改めてお伺いすることに。

で、この夏のとーっても暑いある日。再度わたしは大山さんの元を訪ね、2日間に渡って取材を敢行。すっごく面白い取材となりました。

大山さんは、アラスカ産のダップとよばれるたらこを使っているのですが、最初にみせてもらった冷凍状態のたらこは、なんだかとっても冴えない色で、寒々しそうにしているんですね。

それを1日かけてゆっくり解凍すると、たらこは本来の赤みを取り戻し、それを大山さんはひと腹ずつ丁寧に洗って塩水に浸したあと、調味液に漬け込んでいくのです。

その作業をしているときの、たらこに触れる大山さんの手は赤ちゃんでも触るかのようにそーっと優しくて、ゆっくり動くの。

この手付き、なんだか知ってるなぁ~、と考えていたら、あーっ、思い出した!エステに行ったときの、ベテランのエステシャンの手だ!プルプルしてもらって、つるつるになって、気持ち良いあの手。それくらい、丁寧にたらこを触っているのです。

そして、大山さんの明太子の真骨頂といっても、過言ではない調味液作りでは、大量の羅臼昆布や鰹節、マグロ節などを大量に鍋に投入して、ダシをとる。

もちろん、ちゃっかり味見をさせてもらましたけど、昆布の味がかなり濃厚で、そのなかに削り節のコクがばっちりと溶け込んでいる。これだけ濃厚だからこそ、化学調味料を使わなくても、美味しく仕上がるんだね~。

そして大山さんの明太子作りに対する姿勢にとても感銘を受けたわたしは、冬号カタログの『こだわり倶楽部』で記事としてご紹介することにしちゃいました。

それが、この記事

この明太子ができた経緯や、大山さんのこだわりを徹底的に取材しましたので、ぜひぜひ、ぜひ読んでくださいね。

絶対この明太子が食べたくなっちゃうこと、間違いなしです。
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大山さんの手作り明太子小セット
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大山さんの明太子<その1>

福岡のお土産ナンバーワンといえば明太子。美味しいですよね~、あのプチプチ。

博多駅や福岡空港の売店には、有名どころのメーカーの商品が並び、数え切れないほどの明太子があるなか「セコムの食」が自信を持ってご紹介したい明太子がこれ!

この明太子を知ったのは、出張で九州を周っているときのこと。大手ではなくたった一人の職人が、それも女性がめちゃくちゃ旨い明太子を作ったらしいというので、その情報を仕入れたときから、わたしの心はウキウキ。

早速、試食するべくその明太子を取り寄せ、封を開けてみると、添加物ゼロというだけあって色は少々地味。そしてお味のほうは、というとですね、うーん、今までにないオキテ破り的な味。

ひと口目にガツンという派手なインパクトはないのですが、舌の上でゆっくり味わうとじわじわと旨みが広がっていって明太子のつぶつぶがプリッとしていて、ちゃんと魚の卵の味がする。

舌を刺すような人工的な味がしないし、あと味もすーっと引き際がよくって、とってもいい明太子だなぁ~。

で、すぐに生産者の元に電話をして、掲載させて欲しい旨の連絡をしてみました。が、それから待つこと数ヵ月、やっとのことで生産者の大山さんからのOKを取り付け、その間ほんと長かった、長かった。

本来なら次の段階として取材日程の調整をするのですが、このせっかちな性格で数ヶ月も待ったわけです。

それに“善は急げ、膳も急ぐぞ”が信条のわたしは、他の商品の取材で福岡に行ったついでに、アポイントを取らずに突然訪ねていってしまいました。

福岡といってもめちゃめちゃ田舎の駅から数分歩いたところにある大山さんのお店は、まるでかわいい喫茶店のような外観で、最初明太子屋さんとは気づかなかったくらい。

その店のドアを開けると、奥のほうから元気な声で『いらっしゃいませぇ』と笑顔の女性が現れ、その元気さ加減が電話で話した大山さんとイコール。きっとこの人が大山さんだ。

わたしも負けずににっこり笑顔で「こんにちは、わたし、セコムの食のいのくちです」と名乗ると、そりゃもう店の外にまで響きそうな声で『うわぁ~、びっくりしたー。』と予想以上のリアクション。(^^;

大山さんって、やっぱり思った通りの人だなぁ、この人ならあの美味しい明太子を完成させるだけのパワーがありそうだもん。それに、始めてあったのに大山さんとは、以前から知った仲のような感覚なのは何故?同じ九州の血ゆえ?
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そのあとに賑やかな九州人同士は少し雑談をしたあと、わたしからちょっとだけ大山さんにお願い。「今日はほんとは正式な取材じゃないけど、でもチラッとだけ作業場を覗かせていただいても良いですか?」

『もちろんですよ、どうぞ!』

それじゃ、作業場にお邪魔しまーす。

、、、、つづく
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大山さんの手作り明太子小セット
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甑島ゆかしい海の幸セット<その2>

海の上で天日干ししたきびなごが美味しくて、訊ねてきた甑島。

生産者の馬場さんや、漁師のみなさんのきびなごに対する気持ちに触れ、さらにさらに、惚れ込んでしまったわたくし。

すると、馬場さんが一言『いのくちさん、きびなごの船に乗らんですか? 面白いですよ』

「の、乗ります。ぜひ!」

とはいったものの、この日はもう東京に帰らなければならなかったため、泣く泣く串木野行きの船に乗り、帰京。それから週末も休まずに、予め組んでいた過酷な取材日程をこなし、なんとか調整をして、甑島に戻ってこれたのは2週間後。

この日は、鹿児島県内にある、他の生産者を巡った後、現地入り。天候次第の出航ゆえ、今回は余裕を持って甑島に2泊し、甑島のよさを堪能する予定。

天気予報によると、明日より明後日のほうが天気がよさそうなので、一日めは、「ゆかしい海の幸セット」の中に入っているつけ揚げの取材をすることに。つけ揚げというのは、さつま揚げのことです。

生産者の庵地優さんは、まだ20代ながらも、地元密着型のつけ揚げ店の3代目であり、且つ、前途有望な漁師でもある。

庵地さんが作るつけ揚げの原料となる魚の約半分くらいはいつも自分の船で獲った魚を使うんだそう。

何事も体験することがモットーのわたしは、もちろん庵地さんの船にも乗せてもらい、水上ドライブ。 途中、馬場さんが船から落ちそうになり冷や汗をかいた瞬間もありましたが、なんとか無事に終了しこのとき水揚げした魚で作った、揚げたてのつけ揚げも食べました。

庵地さんのつけ揚げはね、現地の人たちが食べる味そのものなので、甘め。でも、その甘さが不思議と焼酎にバッチリ合うのですよ。地元の食材とお酒って当たり前だけど、ホントに合うのよね。感心しちゃう。

で、つけ揚げの取材が終了すると同時に、ホテルに戻り、この日の就寝は夕方6時! そんなに簡単に寝れるはずはないのだけど、だけどきびなご船の出港は0時過ぎなので、とにかく横になることに。

寝れない。寝れない、、、、ねれない、、、。ねれ、、、コテッzzz。それから数時間後、多少の眠さは栄養ドリンクで振り払い、小さなホテルの裏口から、そろりそろりと外に出て、庵地さんと待ち合わせ。

海からの風はぬるめで、外は真っ暗。何しろ甑島には、信号は小学校の前にひとつだけ。それだって、小学生に「信号とはこんなもの」と教えるために教育的設置をしたもの。セキュリティどころか信号も要らない街。

もちろん、島の住人の顔はみぃんな知っている。のどかだね。

きびなご漁へは、ベテラン船長さんが操縦する船で出港することになり、船長さんにご挨拶したあとは、オレンジ色がまぶしいカッパとちょっとぶかぶかの長靴に衣替えし、いざ海へ!

深夜の海って、もっと怖いかと思っていたんだけど、この日の海はなんだかとても優しい印象で、べた凪なので大して揺れもせず、これで、月が出ていたらもっと綺麗だっただろうに、、と思っていたら、月明かりのある夜は、きびなごの漁がしづらいらしい。へぇぇ。

わたしが、のほほ~んと海を眺めて機嫌よさそうにしている間に、船長さんは、魚群探知機をみながら網を投げる場所を探し続け周囲をチェックし、エンジンを停止。

きびなごは、刺し網漁で捕獲するんでありますが、刺し網っていうのは、狙う魚がいそうな海中に網を投げて、網目を通り抜けることが出来なかった魚を捕獲する方法。
小さなきびなごには網の目だって右の写真のように小さくする必要がある。

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そうか、こんなに細い網目なら大丈夫そうだ、と思ったとたん、目の前がチカチカするくらい白くまぶしい光が船の上に灯る。驚くわたしに、船長さんは『これを海に沈めて、きびなごを集めるんよ』と穏やかな声で説明してくれた。

そして、その灯りが沈められた後は、それまでつけていた電球をすべて消して、きびなごが網に刺さるのを、じっと待つ。待つ。待つ。月明かりがあると、きびなごが獲れにくい、というのは、月光でさえもきびなごが反応して海中に沈めた光に集まりにくくなるだめだとか。
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それから数分の静寂のあと、船長さんの掛け声が響くと、それからはも~大変。

光を上げるとともに、がんがんと網を巻き始め、水揚げを開始。きびなごは、めちゃくちゃデリケートなので、スピードが勝負!

わたしは、邪魔にならないようあっちこっちによけながら、シャッターを切る。そして、網に刺さったきびなごは、どんどんと巻き上げ、船の上に集められる。
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船の上でまだピチピチとしているきびなごは、きらきら光り跳ねるものもいてでも、とても弱い魚だから少しでも早く氷につけて鮮度を保持せねばない。この作業の間は、緊張した空気がぴんと張り詰め、どきどき。さらに、このあともう一回網を放って漁をして、この日は帰港。

港で待っていてくれた馬場さんは、きびなごを受け取り加工場へ。せっかく漁師さんたちが獲ったきびなごなんだもん、美味しく仕上げてね!と馬場さんに手を振り、わたしは漁が終わった船の片づけをしている船長さんたちの元へ。

すると、船長さんが『せっかく釣ったんやけん、持って行き!』とにっこり。実はわたくし、漁と漁の間の休憩時間に、漁師さんの力を借りて5キロ超の大物を2匹ほど釣っていたんであります。
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このうち、一尾は漁師さんたちとの朝食のおかずとなり、もう一尾はそのまま持ち帰ることに。。。

こちらは、馬場さんが塩で仕込んだきびなごを海上で、天日干ししているところ。太陽と海風がいっぱい詰まった味ですよ。

この取材をくわしく掲載した『こだわり倶楽部』は、こちら
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甑島ゆかしい海の幸
甑島のきびなごセット

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

甑島ゆかしい海の幸セット<その1>

先週、「セコムの食」スタッフは、冬号カタログの校正を全て終え、とりあえず、精神的にはひと段落。

校了日には、お部屋でひとり祝杯をあげ、手帳を眺めながら今年いろいろと取材した生産者のことを思い出しておりました。

今年の取材は、なぜか海系が多いのですが、なかでも感謝したいくらいに心洗われる、とびきりの思い出ができたのが、甑島(こしきじま)。

実は、取材に行くまでは甑島自体知らなかったのですが、いや~、ホントにいい島でした。何がいいって、ヒトがいいの。風がいいの。

~~~~~あれは、初夏のある日。

羽田から飛行機で鹿児島に向かい、バスを乗り継ぎ、着いたところは、串木野港。天気もいいし、風も心地よい。約1時間のフェリーも大して揺れることなく、無事、現地に到着。

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夕暮れどきの里港で待っていてくれたのは、きびなごの干物を作っている生産者の馬場さん。

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明るい好青年、且つよく喋る2児のパパで、学生時代は柔道選手で、今でも島の子供たちに柔道を教えている、熱血漢。

今回の商品であるきびなごの干物の美味しさは、馬場さんの人望の厚さによるものだということが、このあとの取材でよくわかったのでありますが、しかし馬場さん、よく喋るんだ。そして面白い。

さて、港に着いたあと、軽トラで工場に案内してもらったものの、取材本番は明日なので、この日は簡単な打ち合わせのみで終了。

体力を翌日へと温存させるべく、海の幸をたっぷりと胃袋に収めたあと就寝。旨かった、かなり旨かった。

で、翌朝4時。馬場さんと待ち合わせをして向かったのは、船着場。遠くの海に目をやれば、漁火が港に戻ってきているところ。

『いのくちさん、今日はあの船のきびなごを買うとですよ』と馬場さん。取材していてわかったのですが、馬場さんの元には、その日に出航したきびなご船のなかでも1、2を争うくらい活きのいいきびなごが集まるんです。

それは、馬場さんに対する漁師さんたちの信頼の現われで、きびなごを島の看板だと自負している漁師さんたちは、きびなごに対して同じ思いを持つ馬場さんに、その日一番のきびなごを加工してもらいたいと思っているからなんです。

だから、同じ船から水揚げされるきびなごであっても、より鮮度の良いものだけを馬場さんに渡し、漁師さんから見て納得できないものは「今日は、うちじゃないで、○○丸からのきびなごを買えや」と言うんです。

そんな感じだから、馬場さんの携帯は早朝からよく鳴って、その日の漁の情報がいち早く入る。

入手したきびなごは、早速工場に運び込み、すぐさま塩水に漬け込むと同時に、選別作業が始まりまるんですが、この選別作業というのが、ものすごいんだ。

網にかかるときに少しでも傷んだものは、パンパンとはじいていってもったいないとか、妥協とかはないのですよ。「え?このきびなごのどこが駄目なの?」と聞きたくなるようなきびなごも、はじく。

そして、最も鮮度がいいものだけを選んで干物にしたり、瞬間凍結にかけるんです。ちなみに、瞬間凍結したきびなごは、解凍すればお刺身だってOK!手開きして、ちろっと生姜醤油につけて食べると、旨いんですよ。!(^^)!

それから、馬場さんのきびなごが美味しい理由が、もう一つ。それは、「完全海上天日干し」。だから、干物は晴れる日にしか、ぜーったいに作らないんです。
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空から降り注ぐ陽光と、海から吹き上げる風でパリッと乾燥させて旨みを凝縮させたきびなごはね、なんていうか、しゃんとしているんです。きびなごの美味しさがすーっと伸びるというのかなぁ、青魚の臭みなんて当然ないし、何匹だってパクパク食べれちゃう。

馬場さんのきびなごを取材していて、ますますきびなごが好きになっていくにつれ、ある思いがわたしの頭のなかに浮かんできた。すると、馬場さんがわたしの気持ちを見透かしたかのように、ひとこと。

『いのくちさん、きびなごの船に乗らんですか?面白いですよ』

「の、乗ります!乗せてください!」

、、、、つづく

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甑島ゆかしい海の幸
甑島のきびなごセット

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

コムニタのコシヒカリ

「明日はどうでしょう?」

『だめだねぇ。午後から雨みたいだ』

「明日はどんなふう?」

『やっぱり雨みたいだから、無理だね』

「明日は?」『う~ん、なんともいえないねぇ』

と、こんな会話が数日間続いた後、やっと「明日なら!」と言われ、速攻で航空券とレンタカーを手配し、ネットで明日の天気を再チェック。晴れるはず。晴れるはず!

そして、当日。ほらね、晴れた~!待った甲斐がありました!

今日向かうのは、福井の山側にある池田町。目的は、稲刈り。生産者の“コムニタ”の方々と会うのは、4ヵ月ぶりくらいかなぁ。

その間に彼らが育てていた稲は、緑から淡い黄色に変化してきて穂先には、美味しいお米をしっかりと抱えた籾がたわわに実っている。
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「セコムの食」は、いろんなお米をご紹介していて、金賞受賞米や日本を代表する米の産地、魚沼のコシヒカリだって扱っている。もちろんどれも美味しいし、どれも自信作。著名な方から、大変なお褒めの言葉をいただいた米もある。

そのなかで、コムニタのお米はね、もうめちゃくちゃわかりやすい味。とにかく甘みが秀でているの。だからおにぎりなんかにしたら、ピカイチ。それに、コムニタは働いているスタッフの連携もピカイチなんです。

コムニタ、というのはイタリア語で「共同体」という意味。現在、コムニタは4人のスタッフが中心となって経営をしているのですが、彼らは元々農家だったわけではなく、農協の職員だったり大手企業の営業だったり、医療従事者だったりしたんだそうです。
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それが、ふとしたきっかけから、集まってコムニタを立ち上げることになったのですが、そのきっかけのひとつなのが、農家さんたちの高齢化。

これまで頑張ってきた農家さんが、ひとり、またひとりと田んぼを耕せなくなり、これまで精魂込めた良質な土地が荒れていくのを危惧し地元を愛する青年たちが、これではいけない、なんとかしたい、という思いで、空いた土地を借りて農家を始めた、というのがコムニタの始まり。

そういう人たちの集まりだから、みんな前向きだし農業大好きだし、それぞれ担当する持ち場をきっちりとこなしていくわけなんです。
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この日、わたしは昼過ぎに現地に入り、収穫真っ只中の田んぼを取材。今年は大きな台風に見舞われることもなく、ただ酷暑だったこと少々気になる、と話すのは、生産者の佐野さん。

でも、コムニタの田んぼには十数年にわたり、籾殻と牛ふんを完全発酵させた堆肥を鋤き込んでいるので、天候に大きく左右されることは、あまりないのだそう。

たしかに、わたしは何年も前からコムニタの米を試食していますが、甘さが落ちることはなかったし、実際に使用しているという堆肥も取材に行きましたが、完全発酵しているから、さらさらしていて、とても上等の堆肥でした。うん、あれはすごかった。

そして、美味しいお米を育てるには、きれいな水ですよね。コムニタのある池田町は、面積の9割が山林。ってことは、どれだけ山間にあるか想像が付きますし、真夏だって長い時間水遊びが出来ないほど、水が冷たいんだそうです。

水が冷たいってことは、それだけ稲が育ちにくいんですが、逆に言うとじっくり育ってくれるというわけ。
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この土地を知れば知るほど、コムニタの米が美味しい理由がわかるし、彼ら次世代の農業を支える人々の思いを知ると、さらに好きになる。

白ご飯は、日本人の主食だから、それぞれ好みの味があるし、地域によっても味が違うけれど、このコムニタのお米で作ったおにぎりの甘さは、是非1度味わってもらいたいなぁ~~。(*^.^*)
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コムニタのコシヒカリ(17年度産)

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

フレッシュフルーツのシャーベット<その2>

果物屋さんじゃなきゃ、それも志の高い果物屋さんじゃなきゃできない、贅沢このうえないシャーベットと果物アイス。

ちまたのジュースやシャーベットが、加工用の果物を使うことが多いのに対し、青木さんのシャーベットには、高級生食用の果物のみをたっぷりと使い、果物の味を最大限に生かしながら、ほんの少しの砂糖で甘さをプラスしているんです。

で、その作り方ですが、アイスもシャーベットも作り方は基本的に同じ。前回はシャーベットの作り方を取材したので、今回は果物アイスをつくるのを取材させてもらいました。

果物アイスに使う材料は、もちろん生の果物。キウイ、パイナップル、イチゴ、オレンジは、いずれも包丁で切ったり剥いたりして、ホントに手間をかけるんですが、なかでもオレンジは、皮やスジなどを全て手作業で取り去ったものを使用。
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菓子職人の岡本大二郎さんは、職人気質というよりはすごく陽気で、ひょうきんな方なんだけど、腕は一流。なにしろこの道40年以上っていうんだもん。横で見ていて、恐れ入ります。

そして、切り揃えた果物は、フレッシュなミルクや卵と一緒にイタリア製の機械に投入して、美味しいアイスクリームに変化させます。そして、これまた手作業でカップに詰めていく。
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かくして完成したアイスは、純粋な甘さに満ちていて、それぞれの果物のフレッシュな美味しさがミルクの中にきれいに溶け込んでいて、大のアイスクリーム好きのわたしの心を、ググッと掴んで離さない。

あれ? でもよく見てみると、わたしが最初に食べて感動したアイスとはちょっと色あいや味に違いがある感じがする。そこで、青木さんに聞いてみた。

「ずっと前に食べたときと、なんだか印象が違うんですが、どうしてでしょう?」

『それは、フレッシュな果物を使っているからです。缶詰ではなくそのときに手に入る果物を使うと、果物が持つ水分や甘みによって味が少しずつ変わるんです』

『特に、生の苺は使う時期によって味や色あいの違いが出やすいんです。いのくちさんが、最初にうちのアイスを食べたのは春先でしたよね。あの時期の苺は水分が多くて色が濃いんです。だからアイスもほんのりピンクの色あいになったんです』なるほど!

そして、ここでいつものお願いをしてみてしまった。「あの、ちょっとだけ味見してもいいですか?」

『ぜひ、食べてみてください』 (^.^)

ん~~、美味しい~!

確かに、今日食べているアイスはこの前のよりも色あいが白くミルキーでさっぱりと食べられる。暑い夏の時期には、やっぱりさらりと食べられる方がいいもんね。旬の素材を使うということは、理にかなった美味しさってことなんだ。

わたしね、このアイスとシャーベット、大好きなんですが夏号で一番人気だったのも、実はこのシャーベット。

でも、予想をはるかに上回る売れ行きだったので、実際に作業する岡本さんたちは、朝早くから果物を剥くのが大変で、特にプラムは皮が薄く種が大きい割りに果実が少ないので、ものすごく大変だったそうです。すみませんでした~。 (^^;

このアイスとシャーベット、わたくし100%の自信を持ってご紹介しています。アイスが大好きな方は、ぜーーったいに食べてくださいね!
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投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

フレッシュフルーツのシャーベット<その1>

全国津々浦々、生産者の取材で旅を続けていると、いろんな商品に巡りあいます。生鮮モノ、加工品、お米、調味料、その他もろもろ。

で、仕事を続けていくなかで思うことは、原材料がシンプルな商品ほど美味しく作るのが難しいんだということ。

素材そのままの味を出すということは、それだけ材料が良くないと美味しく出来るはずはなく、作り手の腕の善し悪しだって、もろに透けてみれるわけですから、相当の覚悟が要るわけなんですね。

それでも、あえてそんな商品を「セコムの食」は求めているわけで、わたしも、隠し事のない背筋が伸びた生産者を探しているんです。

その意味でいうと、わたしがこれまで出会ってきた商品のなかで心から愛して止まないのが、このスイーツ。

なにしろシンプルの極みですねん、このシャーベット。果物の果汁と果肉と、少しの砂糖。 それだけ! 

わたし、このシャーベットと果物アイスを初めて食べたとき、「ホントに何も入ってないの?乳化剤も?安定剤も?」ってしつこく聞いちゃいましたもんね。

それに対して、生産者の青木さんはとても誠実に対応してくれ、その時点で、わたしはもうこの商品にすっかり惚れました。
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で、現地取材に向かったのですが、そこにはさらなる感動と感謝が待っていたのでした。

青木さんは、もともと果物屋さんを営んでいたのですが、ただ売るだけではなく、取り扱う果物は出来るだけ産地に向かい、農家さんと会話をして、いいなぁと思ったものを、店頭に並べようと努力するような志の高い方なんですね。

でも一番美味しい時期はとても短いし、これら果物の美味しさを生食以外の方法で多くのお客様にお届けできる方法はないかなぁ?と考えシャーベットやアイスにしてみたんだそうです。

青木さんいわく『最初はちょっとした遊びで』手元にある果物をシャーベットにしたんですが、それが予想以上の評判を呼び、本格的に作るようになりました。

ただ、最初にシャーベットにした果物は、地元でも有名な農家のものだったり、献上の品だったりと、生食でも最高値で取引されるほどのものだったんです。

さすがにそれでは採算が合わず、一時は少しだけランクを下げたものを使ったんだそう。とはいえ、見せてもらうと、これでランクを下げたんですか??と聞きたくなるほどの、秀品。これでも全く問題ないやん。

一般的に、アイスやジュースになる果物は、生食では食べられない傷みモノが使用されるものですが、生食で、それも高値が付くほどの果物をシャーベットにしてしまうなんて、あまりに贅沢すぎる!

だけど、人の味覚というのは正直というか、ある意味、罪というか (^^;

「今度のも美味しいけど、前の方が美味しかったよ~」とお客様から言われたんですって。

すると青木さん『そう言われると、やっぱ美味しいと言われるほうがいいですから』と、以前のその高級果物をまた使用することにしたんですね。もう、これは採算とか度外視ですわね。

『うちは果物屋ですから、果物屋らしい商品じゃないと。少しくらい大変でも、美味しく食べてもらう方がいいですけんね』

いや、ホントに美味しいもん。感動したもん。じゃぁ、その美味しい現場、アイスとシャーベットの作業場の方を見せてくださいますか?

そして、2階の作業場に上がって、まず驚いた。こ、これって、手間かけすぎと違うんの?!

、、、つづく

投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

辛鮮・柚子こしょう<その2>

今年、わたしがみつけてきた美味しい食べ物たちのなかでも、大ヒット!だと思っているのが、この柚子こしょう。

青は鮮烈な香り、赤はストレートな辛さ、合わせは複雑な辛みが特徴で、1度味わったらもう手放せなくなること間違いなしの調味料。

この柚子こしょうの美味しい理由を知るために、今日は大分の山の中に、レンタカーで一人旅。天気もよくて、気持ちいいの。

到着したときは、「青」を作っている最中で、大量の緑色の柚子の皮と、濃い緑の唐辛子を、生産者の梶原さんが小さな機械で擂り潰している。
柚子こしょうは、四国や九州地方でよく利用される調味料なんですが、こしょうと名がついていても、実は胡椒は一切入ってなくて、原材料は、柚子と唐辛子と塩のみ。

でも何故、「胡椒」という名前なのかというと、九州地方では唐辛子のことを ”こしょう” と呼ぶからなんです。

ちなみに、九州人は「物を片付ける」ということを、「なおす」といいます。わたしはこれを方言だということに気づかず、共通語だと信じて生きておりました。

ところで、この柚子こしょう。どうしてこんなに香り高く、辛さに深みがあるのかというと、まず第一に全ての工程において鮮度を追求しているということ。

あまりにシンプルな原材料で、シンプルな作り方のなかに細かくたくさんの企業秘密が詰まっているので、詳しく書けないのが残念ですが、唐辛子も柚子も収穫したものをとにかく急いで製品にしていくというのが、大切なんですって。

唐辛子と柚子を擂りあわせる機械に入れているところ。辛いだけど、旨いんだな。
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だけど、この柚子こしょうを作れるのは梶原さんと奥さんだけなので、農家さんから大量に柚子が届いたりした日にゃ、もう大変。

手が腱鞘炎になるくらい包丁で柚子の皮を剥いていくのですが、取材しているわたしでさえ、ため息つきたくなるくらいの量。

小さな柚子をひとつずつ、それも果汁や果肉を入れないよう皮のみをきれいに剥いていくのです。

そして、この柚子の皮に合わせる唐辛子ですが、これにももちろん美味しい理由が潜んでいるわけです。

梶原さんは、ご自身でも無農薬で唐辛子を作っているのですが、契約している各生産者には、有機肥料を撒く時期などを細かく指導し、その品質を維持できるよう、ノウハウを全て公開しています。

さらに唐辛子の品種にもこだわっていて、いかに辛い種類の唐辛子をいかに辛く育てていくかを考え、常に工夫しているんですね。

赤は、赤い唐辛子を使い、青は緑の唐辛子を使い、合わせは、緑から赤に色づき始めた唐辛子をベースに、梶原さんがブレンドするんです。
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よく、柚子こしょうはどんな料理に使うの?っていう質問を受けるんですが、わたしは、「青」をお味噌汁のなかにほんの少しだけ入れるのが好きですね。使ってみると、思いのほかいろんな料理に使えるんですよ。

あ、それから大切なのは、自宅での保存方法。せっかく鮮度を追求して梶原さんご夫妻が頑張って完成させた商品は、『使い切るまで冷凍保存』が必須。

使いたいときには、冷凍庫から瓶を取り出して清潔な箸やスプーンでサクサクっと必要な量だけ皿にのせ、残りはまた冷凍庫に!

実は、わたしが最初にこの商品を見つけたとき、この冷凍必須ということを知らずに冷蔵保管して、香りや味を落としてしまったんです。みなさんは、わたしと同じことしないでくださいね。
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九州に柚子こしょうのメーカーは数多くあれど、ここまで香り高く、爽やかな辛さの柚子こしょうは、多分ないですよ。自信満々な商品でございますもん。

ぜーーったいにオススメです。
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辛鮮・柚子こしょう 青のみ
辛鮮・柚子こしょう 3色

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辛鮮・柚子こしょう<その1>

2005年夏のある日に開催された、至福のバーベキューパーティの数日前、主催者から参加者の数名に、「これ」を持ってきてください、という業務連絡が入りました。

案の定わたしの元にも連絡があり、『あ、いのくちさん?持ってきて欲しいものがあるんだけど』と、ある食材を指定されました。

「はい、もっちろんです。言われなくてももっていくつもりでした!」と即答。それが、これ

わたしね、美味しいものをみつけたら黙っていられない性質なんです。そして、それを味がわかる人たちに、すぐおすそ分けしたくなる習性もあるんです。

この柚子こしょうはね、自慢じゃないが今年のわたしが見つけきた商品のなかでも絶対に5本、いや3本の指に入る逸品。

この柚子こしょうは、レンタカーで九州をめぐっているときに、たまたま巡りあったのですが、最初に口にしたときの衝撃は、いまだに忘れることができませ。

そして、ことあるごとに何人もの食通の知り合いにおすそ分けをしてきたのですが、この商品に限っては「感動した!」の言葉が返ってこなかったことは1度たりともありまっしぇん。

もちろんバーベキューの主催者の方にも贈呈し、あまりの素晴らしさに感動されたようで、『持ってきて』という連絡が入ったわけなんです。

さらに、バーベキューのときも、シェフたちからしっかりお褒めの言葉をいただいただけではなく、3人が3人とも『今度、ボクのとこにも送ってね!』(^.^)とおねだりされ、もちろん贈りますよ!とわたくし偉そうに胸を張ってしまいました。 あ、でもまだ送ってないや。(^^;

そんでもって、今日はこの柚子こしょうの取材で大分に来たのであります。台風で1週間延びたものの、見事な晴天と晩夏の心地よい気候、お気に入りのCDを大音響で聞きながらのレンタカー出張は、わたしにとって、ひとときの至福。

高速をひた走り、お昼前には2度目となる大分の山奥の、田んぼと畑と急な坂道しかない現地に到着。生産者の梶原さんが『道、わかりましたか?何回来ても間違う人がいるから』
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「大丈夫でした。わたし、1度来た道は忘れないんです」 

作業場の中に入ると、柚子の爽やかな香りと青唐辛子の青くツンとした香りが交じり合って、そうなの、この香りなの!この新鮮な香りは、他の柚子こしょうでは表現しきれないのよね。

そして中にすすんでいくと、奥さんが一生懸命に小さな青い柚子の皮を、使い勝手のよさそうな小さな包丁で手早く剥いているところ。

いや、正確には剥きつづけているところ。この作業、めちゃくちゃ大変でして、10個や20個ならまだしも、何百個ですもん。最盛期には朝から晩まで延々と手剥きするのですが、皮の厚さによっても味が変わってくるから注意が必要で、収穫時期によっては、柚子の皮がかなり固くなりすごく大変なんだそう。
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「でも、収穫した柚子はなるべく早く皮を剥いてあげないと」と言われるだけあって、この柚子こしょう作りの最大のポイントは、鮮度。

こ~んなに健やかに育った無農薬の柚子と、、、
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こ~んな鮮やかな無農薬の唐辛子で、作るのだ!
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唐辛子も柚子も、鮮度がよくなければ、こんなにいいものは出来ないんです。そして、この作業場で一台しかない小さな機械に目をやると、そこには出来たばかりの柚子こしょうが!

ぴっかぴかの鮮やかな緑色した柚子こしょうは、瑞々しくてつやつやしていて、あー辛そう!小指で少しすくって、落とさないようにすばやく口に運ぶと、青唐辛子のストレートな辛さと柚子の青く若い香りときりっとした塩の辛さとが一斉に味覚を刺激して、背骨がしゃきーんと伸びて、目がぱっちりとする。それもとっても心地よくぱっちりと開くの。

よっしゃ、それじゃぁ、この柚子こしょうの美味しい理由を、とっくりと教えていただきましょう!

でも、もうひと口、いただいていいですか?もう、わたし、これ、本気で大好きなんだもん!

 、、、、つづく
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ほたるいかの活漬け<その3>

5月下旬の深夜2時。超がんこ船長さんの船に乗り込み、沖へ出ること100m、、、200m、、?300m、、、!?

いや、正確には沖からの距離なんて素人のわたしにゃどのくらいかわからないんだけど、わたしが乗っている船の数倍大きな船よりも、うーんと遠くに来ているのは事実。

ん~、昼間の説明じゃ、こんな遠くまで行くなんて聞いてないんだけどなぁ、とわたしの眉間のシワが、ちぃとばかし深くなる。

(なんだかなぁ。 やだなぁ、、、、。いや~な予感)

北海道の噴火湾で甘えび漁のとき『湾内から出ないよ(^.^)』と言われたのに、気づいたときにはすでに湾外にいて、船が転倒するかと思う荒波に再起不能なほどの船酔い経験が、首筋のあたりをヒヤリとかすめる。

(こんな小さな船じゃ、トイレもないし、わたしカナヅチだし、、)

すると、わたしの不安を読み取ったのか、読み取ってないのか、読み取ってないに違いないが、船は速度を落とし始め一瞬のうちに、エンジン音が消され、どうやら目的地にたどり着いた模様。

そして、わたしを除く3名の漁師さんたちは、無言のうちに、ゆっくりと動き始めた。

ひとりは、船内にある青いプラスティック製のケースにホースを投げ入れて、ポンプで汲みあげた海水を張る。ひとりは、海に放たれているブイと船を、力を込めて結わく。

例の、実はいい人だった船長さんは、二人の手伝いをしながらも遠くで漁をしている大きな船をじーっとみながら、その動きを確かめている様子。

その遠くの船はというと、10名以上の漁師さんたちが定置網をぐいぐいと船内に引き上げ、網にかかっているホタルイカを『トンボ採りの網』に似たでっかい網で、ザクザクとすくっていく。

真っ暗な深夜の海上で、一直線に輝くイカ釣り船の灯り火はいかにも日本海の漁という雰囲気を演出し、少しずつ少しずつ、こちらの船に近づいてくる。

そして、両船の間が10mほどの平行位置になったところで、一体何がおこったのかというくらいの、慌しい勢いでこちらの船の船員さんたちが一斉に動き出した!

大きな船が追い込んできた網のなかで勢いよく泳いでいるホタルイカを、『トンボ採り網』ですくい、さっき海水を張ったケースのなかに、シャボン玉を触るかのようにそーっと水揚げし、海水を勢いよく流しはじめたため、船上は溢れた海水であっという間に水浸し。

水揚げされたホタルイカは、一斉に墨を吐きはじめ、ケース内は一瞬、真っ黒。しかし、流水により、すぐに透明度を取り戻し、青く幻想的に輝きながら泳ぎ回るホタルイカが見てとれる。
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そして、特に元気よく泳ぎ回っているホタルイカのみを小さな網で一ヵ所に集めていく。

通常のホタルイカ漁なら、大きな船がやっていたように網にかかったホタルイカをどんどん水揚げすればいいのですが、この活き漬けに使用するホタルイカは、まさしく『生きて』ないと、意味をなさない。

しかし、ホタルイカは他のイカ以上にデリケートで、水揚げ時の網やホタルイカ同士の摩擦などですぐに傷ついてしまう。また、水揚げしても自分の吐いた墨を吸い込み、あっという間に死んでしまうんです。

それを防ぐために、生きたままのホタルイカを慎重に網ですくって水揚げし、海水を流し続けて与えるダメージを最小限にして、生きたまま捕獲。それがすむと、一秒を惜しむかのように勢いよくエンジンがかけられ、一目散に港に向かう。

もーっ、早いのなんの!あたしゃ振り落とされるかと思いましたがね。

そして、港に到着するやいなや、待ち受けていたカッパ姿のおじさんにケースを手渡し、おじさんはそれを港のなかにある活ホタルイカ専用の生簀に流し込んで、活ホタルイカ漁が終了。

まことに目の覚めるような、あっという間の作業でありました。

こうして水揚げしたホタルイカは、その日のうちに生きたまま無添加の醤油に漬け込んだのが、このホタルイカの活き漬け

自身が吸い込んでいた海水と交換に醤油を吸い込むので身のなかにまでしっかりと醤油が入り込むと同時に、そのコリコリとした食感に、鮮度のよさを感じることができるんですねぇ。
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いい意味で磯臭くって、ダイナミックな味わい。他のホタルイカの塩辛とは、一緒にしないでね!

※品切れの際はご容赦ください。
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ほたるいかの素干しと桜干し

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ほたるいかの活漬け<その2>

深夜から始まるホタルイカの取材。

だけど、乗せてくれるはずの船の船長さんは、超ヘンクツおやじ。何度話しかけても、全く無視して出港の準備をすすめている。

お願いですよ~、船長さん。こんな夜中に、1人っきりこんな小さな港に残されちゃったら、あまりにも孤独すぎて、溺れ死んじゃうぞぉ。

そして、なかば涙目でふと横を見ると、船長さんの他にもう1人、こちらは普通そうなオジサンが船に向かって歩いてくる。

わたくし、急いでそのオジサンに駆け寄り『あの、わたしこの船に乗せていただくことになっているんですけどっ、、』

『船長は知ってんだろ?』

『は、はい。伺っていらっしゃるはずですが、お返事なくて~』(>_<)

『あん。なら大丈夫だよ』

よかった~~。 このオジサンは人を見捨てるような感じはしないし、いよいよ出発っていうときには、このオジサンに聞いて、無理矢理にでも乗ってやるぅ。。

優しげなオジサンの出現により、多少気持ちが太くなってからは、いつもの調子を取り戻し、船首にとまって毛づくろいしている白鷺と一緒に出港を待つことに。

船にエンジンがかけられ、モーターからはポンポンポンポンッと小船らしいのどかなエンジン音が流れ始めたところでわたしは、やさしいオジサンに『もう乗っていいですか?』と声をかけ、ちょっと大きめサイズの長靴で船にジャーンプ!

つい数時間前まで雨が降っていたせいで、船のあちこちには雨水が残り座るところはないけれど、どうやら港から100mとか150mのところが漁場だっていってたし、超凪だし。船の端っこをもっていれば大丈夫でしょ。

、、と思っていると、突然船長さんがボソッと『そこ立ってると、揺れるからここに座ってな』

おーっ。初めて口きいてくれたよー!それも、優しいお心遣い!いい人だぁ。船長さん。ちょっと無愛想なだけなんだぁ。(*^.^*)

ありがとうございます。こうなりゃ座りますよ。雨ガッパ着てないから、このまま座ると服が雨のしずくで濡れちゃうけど、郷にいれば郷に従え、せっかく船長さんが声をかけてくれたんだからこの際、多少のことは、気にすまい。でも、冷たいっす。

そして、船は沖へ沖へ。え?気づけばもう沖にきているじゃないですか?他の大きな船よりこんな小船が遠くまで出てきていいんですか?わたし、カナヅチだから遭難しても泳げないよ。

大丈夫なん~?実はいいヒトの船長さ~ん。

・・・つづく。

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ほたるいかの活漬け<その1>

泣く子も眠る、ウシミツどき。 腕時計の針は、1時47分をさしている。

5月といえども、この時間の漁港は肌寒く、昨日まで降っていた雨のせいか、ちょっと重めの空気が窓から車内に流れ込んでくる。

レンタカーを漁港に乗り入れ、長靴とヤッケを着込み、さて、行くか!

わたしから少し離れた所に停泊している船には、出港の準備を整え、一服している漁師さんが見えるけど、わたしが乗るはずの船は、2時半までには出港予定とのこと。

う~、緊張するぅ。生産者のおばちゃんが、船長さんゼンゼン愛想ないって言ってたし偏屈だとも言ってたから、急に気が変わって『乗せん!』なんてことになると、休日返上で富山まで来た努力が水の泡、、、。

だけど、5分経っても10分経っても、船長さんは現れない。

15分。20分。他の船はどんどん出港していくのに、この船、準備の何もしてないし、、、。

大丈夫やろか?船長さん寝過ごしてるんやないやろか?それとも、昨日雨降ってたから、漁出るの止めたとか?あーん、こんなことなら昨日のうちに、船長さんと顔合わせしておけばよかったよ。心配や。心配や。心配や。あたし、どうなるんやろ?

25分、30分。あーもう、2時半やんか~。船長さ~ん。

、、、と嵐のような心境のわたしの前に、2時半きっかりに軽トラが横付けし、なかから口を真一文字に結んだ船長さん「らしき」人が船に乗り込み、慣れた動きで出港の準備を始めた。

ホッと胸を撫で下ろし、船に駆け寄り『今日お世話になります、イノクチです。よろしくお願いします!』

と、元気よく挨拶したものの、、、、、おじさん、無視。

『あの、、、今日船に乗せていただくことになっていると思うんですが』

おじさん、さらに無視。

『えっと、、。今日船に、、、。』

わたしが見えないかのように、無視。

え~~っ。どうしたらいいのぉぉ?

そもそもこのひと、船長さんなん?も~っ。おじさーん、へんじして~。

・・・つづく。

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投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

これが漁師のくいもんじゃぁ<その2>

ちょっと変わった色と魚の味がぎゅーっと詰まったじゃこ天の取材のため、わたしは再度、愛媛の八幡浜へ。

待ち合わせ時間に少し遅れて現れた生産者の鳥津さんは、鳥津さんの子供と同じいがぐり頭と爽やかな笑顔が印象的。 うん、このヒトはいい商品作りそうなオーラがある、と長年の勘がわたしに訴えかけている。

「それでは、じゃこ天についてのお話を伺ってもいいですか?」ということで、取材が始まったわけですが、もうね、すごいですよ、このヒトは。じゃこ天のことになったら、前後左右構わず、延々と喋りつづけるんだ!

それもホントに楽しそうに、屈託なく隠すことなく堂々と話をする。確かに、わたしが取材してきた職人たちは、手技うどんの小西さんだって、鰻の江口さんだって、燻製の江崎さんだってみんな機関銃のように喋るヒトたち。

だけど、鳥津さんは、誰よりも楽しそうに喋るのね。だから、わたしもつられていろんな質問を投げかけ、取材初日にしてかなり長い取材になってしまいました。
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わたしは取材のときに、録音テープを回さずメモを取るやり方なんですが、この日ばかりは、テープが欲しいと思いましたよ。

でも、メインとなるのは明日早朝に同行させてもらう魚市場のセリから始まる取材。この日は、とりあえず一旦終了して、明日に備えるために、地元の漁師料理でもある『さつま汁』をひとり飯して、早々に就寝。

で、翌日、鳥津さんにくっついて八幡浜の市場に到着。すると、以前わたしが来たことを覚えていてくれた仲卸の方やセリ人さんも、たくさん話し掛けてくれる。

んでもって、毎度お決まりのように聞かれることといったら、『どっから来たとね?』『なんしに来たと?』『トリツの彼女ね?』(^^;ま、なんでもいいですぅ~。

そして誰かしらコーヒーをくれたり、魚の説明をしてくれたり、ホント八幡浜のヒト達は最初から最後まで寛容なのでした。

しかし、セリが始まってからの鳥津さんは、顔が一転して真剣そのもの。八幡浜は競り上げる方式ではなく、一度しか数字が出せない方式。いわばじゃんけんポン的勝負なんです。

ここでバシッとホタルジャコの仕入れをしたあとは店に戻って、仕込みに入るんですが、ホタルジャコは大人の指2本ほどの小さな魚。
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それを一尾ずつ頭とワタを取り、午前中かけて捌いたあと、熟成させて練りあげて、最後に菜種油でカラリと揚げおわるのは、大体夕方くらいなんですが、鳥津さん、揚げ終わるまで延々とじゃこ天の話をしてました。ホント好きなんだ~、じゃこ天。

それから、鳥津さんは奥さんの晴美さんとも、とーっても仲良し。たまにはチワ喧嘩もお見かけいたしますが、(^^;ハタからみていて羨ましいくらい、相性の良いご夫婦でした。そうなのよね、ヒトって結局は相性がいいかどうかなのよね。

そうそう、それから鳥津さんのお父さんがね、これまた個性的でわたし大好きなんです。一度、お父さんが釣ってきた魚を食べさせてもらったんですが、その旨いこと!旨いこと!

こんな環境の中で生まれた「漁師のくいもんじゃぁ」が旨くないはずがない。魚と塩しか使わない、ホントにシンプルな味ですが、その食感と魚の旨みの引き出し方は、他との比べ様がないオリジナリティあふれるもの。

詳しくは、こだわり倶楽部の記事に譲りますが、個人的には大好きな商品であり、大好きな鳥津ファミリーです。
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投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0) | トラックバック (39)

これが漁師のくいもんじゃぁ<その1>

わたしが個人的に大好きな漁港、八幡浜の何回目かの訪問時、少し時間がとれたので、長くお付き合いしている干物の生産者のところに立ち寄ったときのこと。

ひとしきり、次号の商品についての話をし終わると、魚の目利きとしてはベテランの菊地さんが『美味しいじゃこ天があるけん、紹介しますわ』という。

おっ!わたしが最も反応する「美味しい」という日本語が飛び出したからには、そのじゃこ天を食べないわけにはいかない。

そこで菊地さんに案内してもらい、そのじゃこ天の生産者の店へ向かい、じゃこ天を買ったあと、菊地さんが店の方にわたしが何者なのかを説明してくれました。

しかしながら、店の方はセコムが通販とかいわれてもどうもピンときてないらしく、わたしもどう挨拶していいものやらビミョーな心境となる。

だってね、何しろ『セコムの食』は知り合いの紹介とか、何かしらの縁故があるから掲載します、というのを一切排除して商品選定をしているから、ここで前向きな挨拶して、商品を食べてみて掲載に至らなかった場合、紹介してくださった方にも申し訳ないし、あと味も悪いですもんね。

だから、その場はお互いよくわからないまま、わたしはその店のオリジナルといわれて渡された、普通と違う色のじゃこ天とともに東京に戻りました。

自宅に着き、ワインを飲みたいと思ったものの、その日の収穫がじゃこ天だったゆえ、ビールを取り出し、持ち帰ったパックの封を開ける。

なんだかねぇ、つみれみたいな色してて、でもじゃこ天っていわれたしな~。でもさ、商品名が『これが漁師のくいもんじゃぁ』なんて、もっとシンプルな名前の方がいいんじゃないの?と、いつもの如くひとり言をいいながら、パクッと食べた瞬間、、、。「あ、旨い!」

「ちょっとこれ、焼いたほうがいいね。生姜あったかなぁ、、。」と更にひとり言をいいながら、オーブントースターで数分加熱して、再度口に運んでみる。

「まいったなぁ~。旨いわぁ、これ。明日、会社に持っていかなきゃ。他のスタッフにも食べさせなきゃ!でもなぁ、もう一枚だけ食べとくか。な!」

、、ということで、翌日会社で試食。すると案の定、責任者のヨシダさんも旨い!という。そこで改めてこのじゃこ天の生産者に連絡を取り、また大好きな八幡浜に向かうことと相成りました。

松山空港でレンタカーをピックアップし、もうすっかり走り慣れた道をお気に入りのCDと一緒に快適に走る。すこーんといい天気で青い空にぷかぷかと浮かぶ雲が、流している音楽ととても合っていて、ご機嫌なまま時間通りに現地に到着。

そして店の前で「失礼しまーす」と何回言っても、だれも出てこない。約束したのになぁ、、と思っていたら、中からお店の方が『今日だっていうのは分かっていますから、もう少しで戻ってきますから』とのこと。

待つことしばし。数台の自転車が勢いよく止まる音と野球のユニフォームを着た子供のにぎやかな声のまんなかにいるのが、あ、鳥津さんだ。 子供と同じ坊主頭だ。

『すんませーん。お待たせして。子供と外に行っとりましたけん。』うん、見たらすぐわかります。(^^;

さて、では美味しいじゃこ天について、お話を聞かせてくださいね。

・・・つづく
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王さんのえび湯葉しゅうまい&えび豚しゅうまい

先日、知人宅で行われたホームパーティに参加したとき、わたしは「セコムの食」の掲載商品を披露するという任務を引き受けました。

そこでわたしはMy冷蔵庫に眠っている数々の商品をいくつか持参し、舌の肥えた方々に味をみてもらいました。

もちろんどれも高い評価を得たんですが、なかでも『王さんの水餃子』は具はもちろんのこと、皮が美味しいと大好評。

そうなの!美味しいのよね。美味しいの。でも、わたしにいわせると美味しいのは当たり前。だってね、完成まで2年かかった皮のなかには具材と同じ量の”黄金のスープ”が練りこんであるんですもん。

丸鶏(ガラではなく丸のまま)と豚肉を朝からじっくりと、沸騰させないように煮つめて取り出した黄金のスープは、飲ませてもらうと、ゆっくり滋味がふくらんで、ガツン、ではなく、ふわ~っとした旨み。だから各具材の個性を引き立てつつ、複雑な味わいへと導くのであります。

王さんは、関西の有名中華料理店の総料理長まで務めた方でかなり頑固なシェフ。だけど、料理に対する姿勢は一貫していて、美味しいものを作ることに妥協のない方。

だけどね、カタログの掲載依頼で、初めて王さんに連絡を入れたときには、いきなり拒否されてしまい、翌日あわてて朝イチの新幹線で神戸に飛んでったんです。

そして、王さんを目の前に「セコムの食」のことをじっくりと説明して、納得してもらい、厨房を取材させてもらい、今に至るわけですけれども。。。。今では、王さんはわたしのことを、ありがたいことに、まるで我が娘のように、優しくしていただいています。
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「弟子や家内にさえ教えたことがないヨ」といいながら、水餃子のレシピを教えてくださったときは、その信頼の厚さにウルウルしてしまったのですが、実はわたくし、この水餃子よりももっと好きなものがあるんです。

それが、これ

ここで質問。わたしはどうしてこの商品のほうが王さんの水餃子よりも好きなのでしょう?

単純に好みだから?カロリーが低そうだから?はたまた、電子レンジ対応の蒸し器で簡単に作れるから?さて、何だと思います?

じつはね、このえび湯葉しゅうまい&えび豚しゅうまいは、王さんとわたしにとって、思い出深い商品なんです。

王さんを2度目に取材したときに、『今、自分のなかであたためている商品がある』と言われ、それは湯葉を使ったしゅうまいなんだ、と。

「美味しそうですねぇ。完成したら是非、食べさせてくださいね」と何気なく言ったら1ヵ月ほどして会社に試作の湯葉しゅうまいが、発泡スチロールに守られて届けられたんです。

もちろん、早速試食。カチカチの冷凍で、ドライアイスのような冷気をまとっているしゅうまいを、蒸し器にいれて蒸かしていくと、ころんと単に白かったものが、だんだんと息を吹き返すように湯葉に淡く黄色が戻り、えびが愛らしい赤味を含んできた。

食べてみると、乾燥湯葉の独特の弾力と海老のプリプリッとした食感が何とも調和していて、海老と海老との間には、噛むとキュッと旨みを排出する程よい大きさの豚の背脂が詰まっている。蒸してあるから、余計な脂分は湯気とともに削げ落ち、食材の旨みだけが残っている。

一方、えび豚しゅうまいは、何の躊躇なく海老と豚の旨みをバチッと対決させていてえび湯葉しゅうまいの繊細さに対し、しっかりと濃く、強い味わい。こちらは皮は湯葉ではなく、小麦粉。 豚と小麦粉は相性いいもんね。

こんなに完成度が高い商品だってことは、王さん、きっと何度も何度も試作を重ねたに違いない。あの性格だもん、絶対そうだよ。

わたくし、すぐに王さんに電話して、採用させていただきたい旨を伝えました。すると王さんは『そうか、よかった。あれは、あんたにあげようと思って作ったんだから』 とおっしゃるではないか!

え~っ、長年あたためていた商品を、こんなわたしに?「セコムの食」でご紹介させていただけるんですか?大変だ!また取材に行かなきゃ!行きますよ、すぐに!王さんに会いに!

そして再々度、王さんの元を訪ね、今度はしゅうまいたちの取材。王さんの仕事は、ホントに丁寧で、その下処理の積み重ねが美味しさに反映しているのがよくわかる。

で、王さんとの会話のなかでわたし、つい「海老がもう少し大きければもっと美味しいのかもしれないけど、贅沢はいいません」(^.^) と言ってしまったんですね。すると王さん、価格はそのままに使用する海老をもっと大ぶり品種に替えてくれたんです。なんという職人気質。

そのうえ、「セコムの食」にえび湯葉しゅうまいが掲載されてからというものいろんなデパートなどからえび湯葉しゅうまいを、取り扱いさせて欲しいと強い申し入れがあったそうで、今でもあるそうなんですが、『あんたと約束したから、