京都大納言のおぜんざい<その1>
わたしの友人のなかには、わたしが甘いものに興味がないと思っている人が結構いるかも。
それは、わたしの宿命であるダイエットのため、仕事以外の食事ではなるべく甘いものは控えるようにしているからなんですが、でもね、実は甘いもの大好きだし、特にお豆系は結構うるさいんです。
というのも、わたしの母親がお豆さんを煮炊きするのが結構上手で、母がぜんざいを炊いた日には、ご近所さんが集まってきたりしていました。
ま、誰でも自分んちの料理が味覚の基本になるわけで、多分かなり贔屓が入っているとは思うんですが、とりあえずわたしはとっても美味しいと思っていたわけです。
だから、ぜんざいもこの仕事を担当して早い段階から商品を探し、店頭でぜんざいを見つけては、店の有名無名を問わず買いまくって試食していたんです。
だけど、ことごとくNG。
あーぁ、やっぱり販売するとなるとレトルトにしたり機械製造になったりするから、家庭の小さなお鍋でコトコトと炊いたようなものを期待すること自体、無理なのかも・・。となかば諦めかけていたところに、一本の電話が!
『うちなぁ、おぜんざい作ってるんやけど、1度試食してもらえんやろか?』
あんまり商売っ気も感じない、のほほーんとした大阪弁でおじさんがおっしゃるので、とりあえず試食のサンプルを送ってもらうようにお願いして、美味しいといいなぁと思いながら、商品の到着を待ちました。
実は、このおじさんからの一本の電話を受けたとき、わたしはとってもいい予感がしていたんです。
それは、言ってみればバイヤーの勘、いや動物の勘!
ちなみに、わたしを良く知る友人からは「いのくちは右脳だけで生きている」とよく言われますが、なにしろいい予感がしたんです。
そして、わくわくしながら待つこと数日。届いた商品をみてみるとカチンカチンに冷凍されていてお餅も1袋に1つついている。
解凍してお鍋で温めて、湯気がほんわりと立ち昇るところをまずは、スプーンですくって食べてみると、、、、。
あーっ。 この味だーっ!この小豆の皮の丁度いい硬さ、噛んだときに中から出てくる粒子のコク、そしてこのなんとも絶妙な甘さ。強くなく、かといって弱くもない、切れのいい甘さがね、わたしの味覚を魅了するぅぅ。
そして、餅ものびーる、のびーる!杵搗きだわね、きっと。いや~、嬉しいよ~!あまりにも懐かしい味だ。子供のころ、食べたあの味が実家に帰らずして食べられるなんて感動だわぁ。
早速、おじさんに電話をして、あ、おじさんの名前は大槻さんというんだけど、取材に伺いたい旨を伝えたところ、「そうやろ、美味しかったやろ。あれはな、めちゃめちゃ丁寧に炊いてるからな」と笑いながら答えてくれた。
そして、日程を調整して大阪にある大槻さんの工房に向かうことになったのですが、お昼前に来てほしいといわれたので、時間通りに伺うと、ご飯を一緒に食べましょう、とのこと。大槻家のお昼ごはんにお邪魔することになりました。
食卓に並べられたのは、ごま豆腐や野菜の炊き合わせやお吸い物などだったのですが、食べてみてびっくり! 美味しいのなんの!ごま豆腐なんて食べた瞬間に、思わず旨い~!と叫んでしまったくらい。
『ははぁ、そうか。旨いか。よかった。ごま豆腐も手作りやで』
え?ウソでしょっ?!プロの料理人でもでもこんなに美味しいごま豆腐なんてそうは作れないってば。とろんとしてて、舌の上でごまの風味がふわ~っと広がって、これ、商品としてご紹介したいくらいやわ。
すると大槻さんが『わたしな、以前は和食の調理人やったんや。店構えてな、評判よろしかったんよ。それが、いろんな縁から今は、ぜんざい作ってるんやけど。たまにな、お客さんとか来たら、作って出してあげるんよ』。
へぇ~、そうなんだ!もったいなぁい!こんなに美味しいもの作れるなんて、すごいやないですか!お店再開してくださいよぅ。
でも一体、なにがどうしておぜんざいを作ることになったんですか?
、、、つづく。

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投稿者 news : 2006年03月16日 12:09 | 2006年セコムの食取材日記
