果物の熟煮

わたしは、朝ごはんをしっかりと食べないとダメなタイプ。

・・・というよりも、空腹になると、絵に描いたように不機嫌になるので、周りのスタッフのためにも、朝食は欠かせないし、最近は、忙しいのも手伝って、もっぱら洋食が多いんです。

テーブルにお気に入りのランチョンマットを敷いて、お気に入りのお皿に、その日に食べたいパンをのせて食べるのですが、この夏わたしの元気のミナモトとして大活躍してくれているのがこれ!

あのね、ホント美味しいの~!このジャム!(*^.^*)

プリザーブタイプのジャムなのですが、甘みがすっごく抑えてあるので、最初はパンに塗って食べるんだけど、あまりの美味しさに、ついついそのままスプーンで口に運んで、食べちゃってるくらいお気に入り。 ホントに好きなの!

このジャムとの出会いは、わたしがちょうどジャムを探して都内を歩いていたら、ものすごいタイミングでいきなりわたしの視界に『食べて、食べて』と言わんばかりに、飛び込んできたんです。

おぉ。何かのテレパシーやろか!きっと、そうに違いない。

もっちろん、すぐに買って試食してみてみると・・「すっごーい!イメージ通りのジャムだぁ!」もうね、わたくし早速、取材依頼!

新幹線とローカル線を乗り継いで訪れた先は、コンロが4つしかない、小さな小さな加工場でした。

この日、作ってくださったのは、柑橘果物の熟煮だったのですが、その作り方というのが、まさに自宅で作るときと同じ方法なんです。

まず、厚い皮を包丁できれいに剥くでしょ、それから薄皮もきれいに外して、実だけを取り出していくんですが、その手間たるや、すごいものでした。

外の皮は厚いから、包丁がなかなか入らないし、果物の酸ですぐ切れが悪くなる。

薄皮は薄皮で、皆さんご存知の通りひとつ丸ごと丁寧に剥くには結構な時間がかかる。

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それを、たった二人で何十玉と剥くんだもん。手が痛そうだったなぁ。

わたし、おせっかいとは思いながらも「果物を剥く機械を入れたほうがいいんじゃないですか?」と言ってしまいました。

すると、加工場の方が、『剥くだけなら、機械を使えばいいんですけど、この熟煮にはこっちの外皮も少しだけ刻んで入れるもんだから、機械だとわたしたちが望む厚さには切れないんですよ。』とおっしゃる。

それに熟煮に使う果物は、日本各地に点在する、真面目な果物農家が育てた、丸々と新鮮な果物ばかりなので、加工するときにも、農家さんの苦労を無駄にしないよう、できるだけ果物の美味しさが残るように、との思いを込めて作っているんだそうです。

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それに、美味しさの秘密がもうひとつ!(^^♪

この熟煮には、上白糖やグラニュー糖は使わずに、果物から取り出した「果糖」を使用しているんです。

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だから、この熟煮の瓶に詰まっているのは、全て果物の甘さだけなんですね~。

だけど、すみません。

フレッシュな果物のみを使うので、どうしても製造が期間限定になってしまうのと、夏号で予想をはるかに上回るご注文をいただいたので、現在「いちご」が欠品で、さらに甘夏が残り10個くらいしかないんだそうです。

日向夏とブルーベリーは、まだ少しは大丈夫だそうです。

ちなみに秋号では、北海道産の夏いちご(夏号は高知産)のほか、ブルーベリー、夏みかん、杏の4種類をご紹介します。

今、わたしの自宅の冷蔵庫にあるのはブルーベリーでパンにつけたり、ヨーグルトに入れたりして、毎朝楽しんでいるんですが、秋号新アイテムのなかではわたしは杏がおすすめ!

残り少なくて恐縮ですが、ぜひ夏の果物の美味しさを一杯詰め込んだ「夏の熟煮」を味わってくださいね。

投稿者 news : 2007年02月28日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

さとやのサンゲタン<その2>

暑い暑い2005年、夏のある日。ローカル列車に乗って、やっとたどり着いたところは、この商品の生産者。

たっぷりの滋味と繊細な味わいに、心まで豊かになるわけですが、さて、ではその美味しさの秘密を取材させていただきましょう。

まずは、メインの食材である鶏は、もちろん国産で信頼のおける養鶏場で育った、やや大きめのものを仕入れています。それを一羽ずつ丁寧に下処理するんですが、この作業が一番大変なんだそう。

一羽そのまま煮込むってことは、そのまま味に反映するってことで、ほんの少しでも余計なものが残っていたり、きれいに処理されなかったら臭みが出たり、味が劣化してしまうんです。

それに鶏は比較的傷むのが早いから、この下処理は家族総出で、一斉に行う作業。

そして次に、この鶏の中に材料を詰めていくのですが、さすがにプロですね、ほんと慣れた手つきです。

まずはナツメを奥に詰めて栓のようにして、お米がバラバラとならないようにして、そこにキュッともち米を流し込む。

それから栗を入れ、高麗人参は食べやすいように手で割いて、最後に足を交差させて、中身が出ないようにして完成。で、じっくりと煮込んでいくんです。

じっくりと煮込んでいくんですが、富山さんは圧力釜は使用せず、数時間かけて大鍋でクツクツ煮込むんです。細かく火の調整をして、噴かないようにしながら、浮いてくるアクをことごとく、すくい取り、すくい取り、すくい取る。
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圧力釜だと、このアクをすくう作業ができないし、時間は短縮することできるけれど、肉も柔らかくなるけれど、富山さんは、ご自身が作るサンゲタンに何よりも繊細さを求めているんです。

あれだけのアクをそのままスープの中に溶け込ませてしまうのと、全てすくい取ってピュアなスープにするのとでは、味に雲泥の差がでるのは必至。

さらに富山さんは、化学調味料等を使わずに鶏の旨みをさらに引き出すために、ある工夫をしているのですが、これは企業秘密なので、、、内緒! (^^ゞ

この工夫にたどり着くまでには、ものすごい時間と試作を繰り返したんだそうです。旨いものに近道は無いのだ。

そして待つこと、数時間。富山さん自慢のサンゲタンが完成!で、早速試食させていただくことに。

韓国のサンゲタンは、比較的小さな鶏を使うことが多く、それに比べると、富山さんのサンゲタンはかなり大きめ。韓国製の土鍋に入って出てきたものの、わたしひとりで食べれそうにはないくらいの大きさ。でも食べちゃうけど。

では、いただきまーす!ん~~、味が繊細! 旨みがじわじわ、ほんとに美味しいの。

「美味しいですか?」との富山さんの質問に、わたし、心の底からうま~い、って言っちゃいました。

すると、富山さんが、『うちのサンゲタンは美味しいと思って下さるか、美味しくないって言われるかどっちかなんです』という。

それは、化学調味料に慣れた舌の方には、ひと口目のインパクトが物足りないからなんだそう。

そうかもしれない。人工的な味に仕上がった商品と比べるとこのサンゲタンは、淡白な味に感じてしまうかもしれない。でも、ゆっくりと口に含み、じわじわと舌に染み込ませていくと深い深い鶏の旨みが、柔らかく広がっていくの。

あーもう、あのときの味を思い出してたら、あのサンゲタンをたべたくなっちゃったよぅ。

このサンゲタンを口にすることがあったなら、是非、ゆっくりとじっくりと食べてみてください。もちろん、薬味なんて入れちゃダメですねん。

そしてわたしは、富山さんのサンゲタンが、本場の味に負けるとも劣らぬことを証明するために、本日より韓国に自主取材を敢行!

同行メンバーは、いずれ劣らぬツワモノ揃い。酒量にいとめはつけない面々ゆえ、ちと不安ですが、、、。

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さとやのサンゲタン
さとやのサンゲタン土鍋つき

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

さとやのサンゲタン<その1>

今年の夏は暑かった。暑かった。その暑い夏のある日、わたしは、JR九州の小さな駅のホームの端っこで、20分に1本の電車を待っておりました。

汗を拭き拭き、携帯から会社に仕事メールを出していたら、列車が到着するアナウンスが流れ、早く涼しい車内に乗りたいとじっと待っているけれど、目の前に電車は現れない。

現れないんだけど何故か発車ベルがなり、ドアが閉まりますというアナウンスが。・・・・へ?

意味がわからずあたりを見回すと、わたしが立っているホームのずーーーーーっと向こうに、たった2両編成の電車が見える。うそーっ!

それから慌ててホームの端から端まで、全力ダッシュしたものの無情にも電車はガタンガタンと動き出し、わたしの額の汗は3倍増。 (-_-;

田舎の駅ではよくあることで、15両分くらいあるホームに止まる電車が1両とか2両編成だったりする、あのトリックにこの暑さのなか、わたしは引っ掛かっちまったわけですね。

とほほ。。。。。あと20分、この蜃気楼が起こるほどの暑さと、耳にしがみつきそうな、セミの鳴き声のなかで待つのか、、。

セミより、わたしの方が泣きたいわい。

そのうえ今日の取材商品は、冬号で採用予定のサンゲタン。暑くて熱くて、すごいことになるんじゃなかろうか。

しかし、待つこと20分。ローカル列車のなかは、天国のように涼しく、目的の駅に到着するまでに、暑さもわたしの眉間のシワもすっかり落ち着いたとたん、自分が空腹なのに気づき、がぜん、サンゲタンを食べるのが待ち遠しくなってきた。

そうだよそうだよ、たどり着くまでに苦労したときほど美味しいものに巡り合ってきたじゃないか。

改札を抜け、歩くこと約5分。真っ赤な暖簾が印象的な韓国料理店にたどり着いたわたしは、元気に扉を開け、生産者にご挨拶。

笑顔で出迎えてくれた富山さんは、電話での印象通りとても丁寧な方で、笑顔から誠意が伝わってくる感じ。冷たいお茶で一息ついたあと、早速サンゲタンの取材をすることに。
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富山さんの店では、サンゲタンが何種類かあるのですが、わたしが「セコムの食」でご紹介したかったのは、こちら。

さとやのサンゲタン 鶏のみ
さとやのサンゲタン 土鍋、スプーン、箸つき


わたしね、これを初めて食べたとき、いや、正確には食べ終わってから少し経ったくらいに、なんだか身体の細胞のすみずみまで元気になるようなパワーを感じたんです。

化学調味料を使ってないので、最初にガツンというインパクトはなく、どちらかというと淡い口あたり。そして限りなく繊細で、薬味もいれちゃダメなくらい。

まずは、塩をいれずに味わってみて、鶏そのもののスッピンの旨みを味わうと、やわらかで、すーっと伸びやかな美味しさが口の中に広がり、良質な鶏を使っているのがよくわかる。

つぎに添付の塩を入れてみると、さっきとは一転して味がグッと引き締まり、シャープなコクが楽しめる。

そこに胡椒を少々振ってみると、さらに複雑な余韻が生まれことごとく、鶏の旨みを堪能できる。

じっくりと煮込んだ鶏肉を口に運ぶと、ほろほろとほぐれ皮はとろんとゼラチンを擁し、詰めたご飯は粥のように柔らかく当然のことながら鶏の滋味をたっぷりと含んでいるんですね。

美味しいんだよね~、美味しいんだよね~。心まで満たされる繊細な美味しさなのよね~。

『でも、いのくちさん。このサンゲタンにたどり着くまでには、ものすごい道のりだったんです』と富山さん。

そうでしょう、そうでしょう。こんなに美味しいものがいとも簡単に作れるなんてこと、あんまりないですもんね。そのご苦労を、教えてください!

・・・つづく
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さとやのサンゲタン
さとやのサンゲタン土鍋つき

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

大山さんの明太子<その2>

ちゃっきちゃきの九州オンナの大山さんが作る明太子に惚れて、向かった先は、福岡の田舎の小さな小さな駅。

突然の訪問にビックリした様子の大山さんだったのですが、あっという間に仲良くなってしまい、明太子をつくる工房を覗かせてもらうことに。

奥の工房は、ちょっと大きめのキッチンって感じ。女性が二人で切り盛りしているだけあって、とても整頓されていてこれまで取材してきた明太子の工場の雰囲気とはゼンゼン違う。

機械と呼べるものはなく、寸胴鍋が2つあるのみで、材料として揃えてあるものも、昆布とかみりんとか塩とかだけで、添加物らしきものは一切ない。
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そして、透明の大きなタッパーがいくつか冷蔵庫の中に並べてあり、そのなかに同じ向きにおかれた明太子は、赤いダシのなかでプカプカと漬かっていて、なんだか気持ちよさそう。

美味しそうな明太子を目の当たりにして、すぐにでも取材を始めたいくらいなんだけど、今日のところはご挨拶だけ、ってことで、また日を改めてお伺いすることに。

で、この夏のとーっても暑いある日。再度わたしは大山さんの元を訪ね、2日間に渡って取材を敢行。すっごく面白い取材となりました。

大山さんは、アラスカ産のダップとよばれるたらこを使っているのですが、最初にみせてもらった冷凍状態のたらこは、なんだかとっても冴えない色で、寒々しそうにしているんですね。

それを1日かけてゆっくり解凍すると、たらこは本来の赤みを取り戻し、それを大山さんはひと腹ずつ丁寧に洗って塩水に浸したあと、調味液に漬け込んでいくのです。

その作業をしているときの、たらこに触れる大山さんの手は赤ちゃんでも触るかのようにそーっと優しくて、ゆっくり動くの。

この手付き、なんだか知ってるなぁ~、と考えていたら、あーっ、思い出した!エステに行ったときの、ベテランのエステシャンの手だ!プルプルしてもらって、つるつるになって、気持ち良いあの手。それくらい、丁寧にたらこを触っているのです。

そして、大山さんの明太子の真骨頂といっても、過言ではない調味液作りでは、大量の羅臼昆布や鰹節、マグロ節などを大量に鍋に投入して、ダシをとる。

もちろん、ちゃっかり味見をさせてもらましたけど、昆布の味がかなり濃厚で、そのなかに削り節のコクがばっちりと溶け込んでいる。これだけ濃厚だからこそ、化学調味料を使わなくても、美味しく仕上がるんだね~。

そして大山さんの明太子作りに対する姿勢にとても感銘を受けたわたしは、冬号カタログの『こだわり倶楽部』で記事としてご紹介することにしちゃいました。

それが、この記事

この明太子ができた経緯や、大山さんのこだわりを徹底的に取材しましたので、ぜひぜひ、ぜひ読んでくださいね。

絶対この明太子が食べたくなっちゃうこと、間違いなしです。
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大山さんの手作り明太子小セット
大山さんの手作り明太子大セット

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

大山さんの明太子<その1>

福岡のお土産ナンバーワンといえば明太子。美味しいですよね~、あのプチプチ。

博多駅や福岡空港の売店には、有名どころのメーカーの商品が並び、数え切れないほどの明太子があるなか「セコムの食」が自信を持ってご紹介したい明太子がこれ!

この明太子を知ったのは、出張で九州を周っているときのこと。大手ではなくたった一人の職人が、それも女性がめちゃくちゃ旨い明太子を作ったらしいというので、その情報を仕入れたときから、わたしの心はウキウキ。

早速、試食するべくその明太子を取り寄せ、封を開けてみると、添加物ゼロというだけあって色は少々地味。そしてお味のほうは、というとですね、うーん、今までにないオキテ破り的な味。

ひと口目にガツンという派手なインパクトはないのですが、舌の上でゆっくり味わうとじわじわと旨みが広がっていって明太子のつぶつぶがプリッとしていて、ちゃんと魚の卵の味がする。

舌を刺すような人工的な味がしないし、あと味もすーっと引き際がよくって、とってもいい明太子だなぁ~。

で、すぐに生産者の元に電話をして、掲載させて欲しい旨の連絡をしてみました。が、それから待つこと数ヵ月、やっとのことで生産者の大山さんからのOKを取り付け、その間ほんと長かった、長かった。

本来なら次の段階として取材日程の調整をするのですが、このせっかちな性格で数ヶ月も待ったわけです。

それに“善は急げ、膳も急ぐぞ”が信条のわたしは、他の商品の取材で福岡に行ったついでに、アポイントを取らずに突然訪ねていってしまいました。

福岡といってもめちゃめちゃ田舎の駅から数分歩いたところにある大山さんのお店は、まるでかわいい喫茶店のような外観で、最初明太子屋さんとは気づかなかったくらい。

その店のドアを開けると、奥のほうから元気な声で『いらっしゃいませぇ』と笑顔の女性が現れ、その元気さ加減が電話で話した大山さんとイコール。きっとこの人が大山さんだ。

わたしも負けずににっこり笑顔で「こんにちは、わたし、セコムの食のいのくちです」と名乗ると、そりゃもう店の外にまで響きそうな声で『うわぁ~、びっくりしたー。』と予想以上のリアクション。(^^;

大山さんって、やっぱり思った通りの人だなぁ、この人ならあの美味しい明太子を完成させるだけのパワーがありそうだもん。それに、始めてあったのに大山さんとは、以前から知った仲のような感覚なのは何故?同じ九州の血ゆえ?
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そのあとに賑やかな九州人同士は少し雑談をしたあと、わたしからちょっとだけ大山さんにお願い。「今日はほんとは正式な取材じゃないけど、でもチラッとだけ作業場を覗かせていただいても良いですか?」

『もちろんですよ、どうぞ!』

それじゃ、作業場にお邪魔しまーす。

、、、、つづく
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投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

甑島ゆかしい海の幸セット<その2>

海の上で天日干ししたきびなごが美味しくて、訊ねてきた甑島。

生産者の馬場さんや、漁師のみなさんのきびなごに対する気持ちに触れ、さらにさらに、惚れ込んでしまったわたくし。

すると、馬場さんが一言『いのくちさん、きびなごの船に乗らんですか? 面白いですよ』

「の、乗ります。ぜひ!」

とはいったものの、この日はもう東京に帰らなければならなかったため、泣く泣く串木野行きの船に乗り、帰京。それから週末も休まずに、予め組んでいた過酷な取材日程をこなし、なんとか調整をして、甑島に戻ってこれたのは2週間後。

この日は、鹿児島県内にある、他の生産者を巡った後、現地入り。天候次第の出航ゆえ、今回は余裕を持って甑島に2泊し、甑島のよさを堪能する予定。

天気予報によると、明日より明後日のほうが天気がよさそうなので、一日めは、「ゆかしい海の幸セット」の中に入っているつけ揚げの取材をすることに。つけ揚げというのは、さつま揚げのことです。

生産者の庵地優さんは、まだ20代ながらも、地元密着型のつけ揚げ店の3代目であり、且つ、前途有望な漁師でもある。

庵地さんが作るつけ揚げの原料となる魚の約半分くらいはいつも自分の船で獲った魚を使うんだそう。

何事も体験することがモットーのわたしは、もちろん庵地さんの船にも乗せてもらい、水上ドライブ。 途中、馬場さんが船から落ちそうになり冷や汗をかいた瞬間もありましたが、なんとか無事に終了しこのとき水揚げした魚で作った、揚げたてのつけ揚げも食べました。

庵地さんのつけ揚げはね、現地の人たちが食べる味そのものなので、甘め。でも、その甘さが不思議と焼酎にバッチリ合うのですよ。地元の食材とお酒って当たり前だけど、ホントに合うのよね。感心しちゃう。

で、つけ揚げの取材が終了すると同時に、ホテルに戻り、この日の就寝は夕方6時! そんなに簡単に寝れるはずはないのだけど、だけどきびなご船の出港は0時過ぎなので、とにかく横になることに。

寝れない。寝れない、、、、ねれない、、、。ねれ、、、コテッzzz。それから数時間後、多少の眠さは栄養ドリンクで振り払い、小さなホテルの裏口から、そろりそろりと外に出て、庵地さんと待ち合わせ。

海からの風はぬるめで、外は真っ暗。何しろ甑島には、信号は小学校の前にひとつだけ。それだって、小学生に「信号とはこんなもの」と教えるために教育的設置をしたもの。セキュリティどころか信号も要らない街。

もちろん、島の住人の顔はみぃんな知っている。のどかだね。

きびなご漁へは、ベテラン船長さんが操縦する船で出港することになり、船長さんにご挨拶したあとは、オレンジ色がまぶしいカッパとちょっとぶかぶかの長靴に衣替えし、いざ海へ!

深夜の海って、もっと怖いかと思っていたんだけど、この日の海はなんだかとても優しい印象で、べた凪なので大して揺れもせず、これで、月が出ていたらもっと綺麗だっただろうに、、と思っていたら、月明かりのある夜は、きびなごの漁がしづらいらしい。へぇぇ。

わたしが、のほほ~んと海を眺めて機嫌よさそうにしている間に、船長さんは、魚群探知機をみながら網を投げる場所を探し続け周囲をチェックし、エンジンを停止。

きびなごは、刺し網漁で捕獲するんでありますが、刺し網っていうのは、狙う魚がいそうな海中に網を投げて、網目を通り抜けることが出来なかった魚を捕獲する方法。
小さなきびなごには網の目だって右の写真のように小さくする必要がある。

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そうか、こんなに細い網目なら大丈夫そうだ、と思ったとたん、目の前がチカチカするくらい白くまぶしい光が船の上に灯る。驚くわたしに、船長さんは『これを海に沈めて、きびなごを集めるんよ』と穏やかな声で説明してくれた。

そして、その灯りが沈められた後は、それまでつけていた電球をすべて消して、きびなごが網に刺さるのを、じっと待つ。待つ。待つ。月明かりがあると、きびなごが獲れにくい、というのは、月光でさえもきびなごが反応して海中に沈めた光に集まりにくくなるだめだとか。
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それから数分の静寂のあと、船長さんの掛け声が響くと、それからはも~大変。

光を上げるとともに、がんがんと網を巻き始め、水揚げを開始。きびなごは、めちゃくちゃデリケートなので、スピードが勝負!

わたしは、邪魔にならないようあっちこっちによけながら、シャッターを切る。そして、網に刺さったきびなごは、どんどんと巻き上げ、船の上に集められる。
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船の上でまだピチピチとしているきびなごは、きらきら光り跳ねるものもいてでも、とても弱い魚だから少しでも早く氷につけて鮮度を保持せねばない。この作業の間は、緊張した空気がぴんと張り詰め、どきどき。さらに、このあともう一回網を放って漁をして、この日は帰港。

港で待っていてくれた馬場さんは、きびなごを受け取り加工場へ。せっかく漁師さんたちが獲ったきびなごなんだもん、美味しく仕上げてね!と馬場さんに手を振り、わたしは漁が終わった船の片づけをしている船長さんたちの元へ。

すると、船長さんが『せっかく釣ったんやけん、持って行き!』とにっこり。実はわたくし、漁と漁の間の休憩時間に、漁師さんの力を借りて5キロ超の大物を2匹ほど釣っていたんであります。
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このうち、一尾は漁師さんたちとの朝食のおかずとなり、もう一尾はそのまま持ち帰ることに。。。

こちらは、馬場さんが塩で仕込んだきびなごを海上で、天日干ししているところ。太陽と海風がいっぱい詰まった味ですよ。

この取材をくわしく掲載した『こだわり倶楽部』は、こちら
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甑島ゆかしい海の幸
甑島のきびなごセット

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

甑島ゆかしい海の幸セット<その1>

先週、「セコムの食」スタッフは、冬号カタログの校正を全て終え、とりあえず、精神的にはひと段落。

校了日には、お部屋でひとり祝杯をあげ、手帳を眺めながら今年いろいろと取材した生産者のことを思い出しておりました。

今年の取材は、なぜか海系が多いのですが、なかでも感謝したいくらいに心洗われる、とびきりの思い出ができたのが、甑島(こしきじま)。

実は、取材に行くまでは甑島自体知らなかったのですが、いや~、ホントにいい島でした。何がいいって、ヒトがいいの。風がいいの。

~~~~~あれは、初夏のある日。

羽田から飛行機で鹿児島に向かい、バスを乗り継ぎ、着いたところは、串木野港。天気もいいし、風も心地よい。約1時間のフェリーも大して揺れることなく、無事、現地に到着。

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夕暮れどきの里港で待っていてくれたのは、きびなごの干物を作っている生産者の馬場さん。

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明るい好青年、且つよく喋る2児のパパで、学生時代は柔道選手で、今でも島の子供たちに柔道を教えている、熱血漢。

今回の商品であるきびなごの干物の美味しさは、馬場さんの人望の厚さによるものだということが、このあとの取材でよくわかったのでありますが、しかし馬場さん、よく喋るんだ。そして面白い。

さて、港に着いたあと、軽トラで工場に案内してもらったものの、取材本番は明日なので、この日は簡単な打ち合わせのみで終了。

体力を翌日へと温存させるべく、海の幸をたっぷりと胃袋に収めたあと就寝。旨かった、かなり旨かった。

で、翌朝4時。馬場さんと待ち合わせをして向かったのは、船着場。遠くの海に目をやれば、漁火が港に戻ってきているところ。

『いのくちさん、今日はあの船のきびなごを買うとですよ』と馬場さん。取材していてわかったのですが、馬場さんの元には、その日に出航したきびなご船のなかでも1、2を争うくらい活きのいいきびなごが集まるんです。

それは、馬場さんに対する漁師さんたちの信頼の現われで、きびなごを島の看板だと自負している漁師さんたちは、きびなごに対して同じ思いを持つ馬場さんに、その日一番のきびなごを加工してもらいたいと思っているからなんです。

だから、同じ船から水揚げされるきびなごであっても、より鮮度の良いものだけを馬場さんに渡し、漁師さんから見て納得できないものは「今日は、うちじゃないで、○○丸からのきびなごを買えや」と言うんです。

そんな感じだから、馬場さんの携帯は早朝からよく鳴って、その日の漁の情報がいち早く入る。

入手したきびなごは、早速工場に運び込み、すぐさま塩水に漬け込むと同時に、選別作業が始まりまるんですが、この選別作業というのが、ものすごいんだ。

網にかかるときに少しでも傷んだものは、パンパンとはじいていってもったいないとか、妥協とかはないのですよ。「え?このきびなごのどこが駄目なの?」と聞きたくなるようなきびなごも、はじく。

そして、最も鮮度がいいものだけを選んで干物にしたり、瞬間凍結にかけるんです。ちなみに、瞬間凍結したきびなごは、解凍すればお刺身だってOK!手開きして、ちろっと生姜醤油につけて食べると、旨いんですよ。!(^^)!

それから、馬場さんのきびなごが美味しい理由が、もう一つ。それは、「完全海上天日干し」。だから、干物は晴れる日にしか、ぜーったいに作らないんです。
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空から降り注ぐ陽光と、海から吹き上げる風でパリッと乾燥させて旨みを凝縮させたきびなごはね、なんていうか、しゃんとしているんです。きびなごの美味しさがすーっと伸びるというのかなぁ、青魚の臭みなんて当然ないし、何匹だってパクパク食べれちゃう。

馬場さんのきびなごを取材していて、ますますきびなごが好きになっていくにつれ、ある思いがわたしの頭のなかに浮かんできた。すると、馬場さんがわたしの気持ちを見透かしたかのように、ひとこと。

『いのくちさん、きびなごの船に乗らんですか?面白いですよ』

「の、乗ります!乗せてください!」

、、、、つづく

この取材をくわしく掲載した『こだわり倶楽部』は、こちら
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投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

コムニタのコシヒカリ

「明日はどうでしょう?」

『だめだねぇ。午後から雨みたいだ』

「明日はどんなふう?」

『やっぱり雨みたいだから、無理だね』

「明日は?」『う~ん、なんともいえないねぇ』

と、こんな会話が数日間続いた後、やっと「明日なら!」と言われ、速攻で航空券とレンタカーを手配し、ネットで明日の天気を再チェック。晴れるはず。晴れるはず!

そして、当日。ほらね、晴れた~!待った甲斐がありました!

今日向かうのは、福井の山側にある池田町。目的は、稲刈り。生産者の“コムニタ”の方々と会うのは、4ヵ月ぶりくらいかなぁ。

その間に彼らが育てていた稲は、緑から淡い黄色に変化してきて穂先には、美味しいお米をしっかりと抱えた籾がたわわに実っている。
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「セコムの食」は、いろんなお米をご紹介していて、金賞受賞米や日本を代表する米の産地、魚沼のコシヒカリだって扱っている。もちろんどれも美味しいし、どれも自信作。著名な方から、大変なお褒めの言葉をいただいた米もある。

そのなかで、コムニタのお米はね、もうめちゃくちゃわかりやすい味。とにかく甘みが秀でているの。だからおにぎりなんかにしたら、ピカイチ。それに、コムニタは働いているスタッフの連携もピカイチなんです。

コムニタ、というのはイタリア語で「共同体」という意味。現在、コムニタは4人のスタッフが中心となって経営をしているのですが、彼らは元々農家だったわけではなく、農協の職員だったり大手企業の営業だったり、医療従事者だったりしたんだそうです。
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それが、ふとしたきっかけから、集まってコムニタを立ち上げることになったのですが、そのきっかけのひとつなのが、農家さんたちの高齢化。

これまで頑張ってきた農家さんが、ひとり、またひとりと田んぼを耕せなくなり、これまで精魂込めた良質な土地が荒れていくのを危惧し地元を愛する青年たちが、これではいけない、なんとかしたい、という思いで、空いた土地を借りて農家を始めた、というのがコムニタの始まり。

そういう人たちの集まりだから、みんな前向きだし農業大好きだし、それぞれ担当する持ち場をきっちりとこなしていくわけなんです。
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この日、わたしは昼過ぎに現地に入り、収穫真っ只中の田んぼを取材。今年は大きな台風に見舞われることもなく、ただ酷暑だったこと少々気になる、と話すのは、生産者の佐野さん。

でも、コムニタの田んぼには十数年にわたり、籾殻と牛ふんを完全発酵させた堆肥を鋤き込んでいるので、天候に大きく左右されることは、あまりないのだそう。

たしかに、わたしは何年も前からコムニタの米を試食していますが、甘さが落ちることはなかったし、実際に使用しているという堆肥も取材に行きましたが、完全発酵しているから、さらさらしていて、とても上等の堆肥でした。うん、あれはすごかった。

そして、美味しいお米を育てるには、きれいな水ですよね。コムニタのある池田町は、面積の9割が山林。ってことは、どれだけ山間にあるか想像が付きますし、真夏だって長い時間水遊びが出来ないほど、水が冷たいんだそうです。

水が冷たいってことは、それだけ稲が育ちにくいんですが、逆に言うとじっくり育ってくれるというわけ。
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この土地を知れば知るほど、コムニタの米が美味しい理由がわかるし、彼ら次世代の農業を支える人々の思いを知ると、さらに好きになる。

白ご飯は、日本人の主食だから、それぞれ好みの味があるし、地域によっても味が違うけれど、このコムニタのお米で作ったおにぎりの甘さは、是非1度味わってもらいたいなぁ~~。(*^.^*)
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コムニタのコシヒカリ(17年度産)

投稿者 news : 2006年03月14日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

フレッシュフルーツのシャーベット<その2>

果物屋さんじゃなきゃ、それも志の高い果物屋さんじゃなきゃできない、贅沢このうえないシャーベットと果物アイス。

ちまたのジュースやシャーベットが、加工用の果物を使うことが多いのに対し、青木さんのシャーベットには、高級生食用の果物のみをたっぷりと使い、果物の味を最大限に生かしながら、ほんの少しの砂糖で甘さをプラスしているんです。

で、その作り方ですが、アイスもシャーベットも作り方は基本的に同じ。前回はシャーベットの作り方を取材したので、今回は果物アイスをつくるのを取材させてもらいました。

果物アイスに使う材料は、もちろん生の果物。キウイ、パイナップル、イチゴ、オレンジは、いずれも包丁で切ったり剥いたりして、ホントに手間をかけるんですが、なかでもオレンジは、皮やスジなどを全て手作業で取り去ったものを使用。
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菓子職人の岡本大二郎さんは、職人気質というよりはすごく陽気で、ひょうきんな方なんだけど、腕は一流。なにしろこの道40年以上っていうんだもん。横で見ていて、恐れ入ります。

そして、切り揃えた果物は、フレッシュなミルクや卵と一緒にイタリア製の機械に投入して、美味しいアイスクリームに変化させます。そして、これまた手作業でカップに詰めていく。
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かくして完成したアイスは、純粋な甘さに満ちていて、それぞれの果物のフレッシュな美味しさがミルクの中にきれいに溶け込んでいて、大のアイスクリーム好きのわたしの心を、ググッと掴んで離さない。

あれ? でもよく見てみると、わたしが最初に食べて感動したアイスとはちょっと色あいや味に違いがある感じがする。そこで、青木さんに聞いてみた。

「ずっと前に食べたときと、なんだか印象が違うんですが、どうしてでしょう?」

『それは、フレッシュな果物を使っているからです。缶詰ではなくそのときに手に入る果物を使うと、果物が持つ水分や甘みによって味が少しずつ変わるんです』

『特に、生の苺は使う時期によって味や色あいの違いが出やすいんです。いのくちさんが、最初にうちのアイスを食べたのは春先でしたよね。あの時期の苺は水分が多くて色が濃いんです。だからアイスもほんのりピンクの色あいになったんです』なるほど!

そして、ここでいつものお願いをしてみてしまった。「あの、ちょっとだけ味見してもいいですか?」

『ぜひ、食べてみてください』 (^.^)

ん~~、美味しい~!

確かに、今日食べているアイスはこの前のよりも色あいが白くミルキーでさっぱりと食べられる。暑い夏の時期には、やっぱりさらりと食べられる方がいいもんね。旬の素材を使うということは、理にかなった美味しさってことなんだ。

わたしね、このアイスとシャーベット、大好きなんですが夏号で一番人気だったのも、実はこのシャーベット。

でも、予想をはるかに上回る売れ行きだったので、実際に作業する岡本さんたちは、朝早くから果物を剥くのが大変で、特にプラムは皮が薄く種が大きい割りに果実が少ないので、ものすごく大変だったそうです。すみませんでした~。 (^^;

このアイスとシャーベット、わたくし100%の自信を持ってご紹介しています。アイスが大好きな方は、ぜーーったいに食べてくださいね!
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投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

フレッシュフルーツのシャーベット<その1>

全国津々浦々、生産者の取材で旅を続けていると、いろんな商品に巡りあいます。生鮮モノ、加工品、お米、調味料、その他もろもろ。

で、仕事を続けていくなかで思うことは、原材料がシンプルな商品ほど美味しく作るのが難しいんだということ。

素材そのままの味を出すということは、それだけ材料が良くないと美味しく出来るはずはなく、作り手の腕の善し悪しだって、もろに透けてみれるわけですから、相当の覚悟が要るわけなんですね。

それでも、あえてそんな商品を「セコムの食」は求めているわけで、わたしも、隠し事のない背筋が伸びた生産者を探しているんです。

その意味でいうと、わたしがこれまで出会ってきた商品のなかで心から愛して止まないのが、このスイーツ。

なにしろシンプルの極みですねん、このシャーベット。果物の果汁と果肉と、少しの砂糖。 それだけ! 

わたし、このシャーベットと果物アイスを初めて食べたとき、「ホントに何も入ってないの?乳化剤も?安定剤も?」ってしつこく聞いちゃいましたもんね。

それに対して、生産者の青木さんはとても誠実に対応してくれ、その時点で、わたしはもうこの商品にすっかり惚れました。
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で、現地取材に向かったのですが、そこにはさらなる感動と感謝が待っていたのでした。

青木さんは、もともと果物屋さんを営んでいたのですが、ただ売るだけではなく、取り扱う果物は出来るだけ産地に向かい、農家さんと会話をして、いいなぁと思ったものを、店頭に並べようと努力するような志の高い方なんですね。

でも一番美味しい時期はとても短いし、これら果物の美味しさを生食以外の方法で多くのお客様にお届けできる方法はないかなぁ?と考えシャーベットやアイスにしてみたんだそうです。

青木さんいわく『最初はちょっとした遊びで』手元にある果物をシャーベットにしたんですが、それが予想以上の評判を呼び、本格的に作るようになりました。

ただ、最初にシャーベットにした果物は、地元でも有名な農家のものだったり、献上の品だったりと、生食でも最高値で取引されるほどのものだったんです。

さすがにそれでは採算が合わず、一時は少しだけランクを下げたものを使ったんだそう。とはいえ、見せてもらうと、これでランクを下げたんですか??と聞きたくなるほどの、秀品。これでも全く問題ないやん。

一般的に、アイスやジュースになる果物は、生食では食べられない傷みモノが使用されるものですが、生食で、それも高値が付くほどの果物をシャーベットにしてしまうなんて、あまりに贅沢すぎる!

だけど、人の味覚というのは正直というか、ある意味、罪というか (^^;

「今度のも美味しいけど、前の方が美味しかったよ~」とお客様から言われたんですって。

すると青木さん『そう言われると、やっぱ美味しいと言われるほうがいいですから』と、以前のその高級果物をまた使用することにしたんですね。もう、これは採算とか度外視ですわね。

『うちは果物屋ですから、果物屋らしい商品じゃないと。少しくらい大変でも、美味しく食べてもらう方がいいですけんね』

いや、ホントに美味しいもん。感動したもん。じゃぁ、その美味しい現場、アイスとシャーベットの作業場の方を見せてくださいますか?

そして、2階の作業場に上がって、まず驚いた。こ、これって、手間かけすぎと違うんの?!

、、、つづく

投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

辛鮮・柚子こしょう<その2>

今年、わたしがみつけてきた美味しい食べ物たちのなかでも、大ヒット!だと思っているのが、この柚子こしょう。

青は鮮烈な香り、赤はストレートな辛さ、合わせは複雑な辛みが特徴で、1度味わったらもう手放せなくなること間違いなしの調味料。

この柚子こしょうの美味しい理由を知るために、今日は大分の山の中に、レンタカーで一人旅。天気もよくて、気持ちいいの。

到着したときは、「青」を作っている最中で、大量の緑色の柚子の皮と、濃い緑の唐辛子を、生産者の梶原さんが小さな機械で擂り潰している。
柚子こしょうは、四国や九州地方でよく利用される調味料なんですが、こしょうと名がついていても、実は胡椒は一切入ってなくて、原材料は、柚子と唐辛子と塩のみ。

でも何故、「胡椒」という名前なのかというと、九州地方では唐辛子のことを ”こしょう” と呼ぶからなんです。

ちなみに、九州人は「物を片付ける」ということを、「なおす」といいます。わたしはこれを方言だということに気づかず、共通語だと信じて生きておりました。

ところで、この柚子こしょう。どうしてこんなに香り高く、辛さに深みがあるのかというと、まず第一に全ての工程において鮮度を追求しているということ。

あまりにシンプルな原材料で、シンプルな作り方のなかに細かくたくさんの企業秘密が詰まっているので、詳しく書けないのが残念ですが、唐辛子も柚子も収穫したものをとにかく急いで製品にしていくというのが、大切なんですって。

唐辛子と柚子を擂りあわせる機械に入れているところ。辛いだけど、旨いんだな。
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だけど、この柚子こしょうを作れるのは梶原さんと奥さんだけなので、農家さんから大量に柚子が届いたりした日にゃ、もう大変。

手が腱鞘炎になるくらい包丁で柚子の皮を剥いていくのですが、取材しているわたしでさえ、ため息つきたくなるくらいの量。

小さな柚子をひとつずつ、それも果汁や果肉を入れないよう皮のみをきれいに剥いていくのです。

そして、この柚子の皮に合わせる唐辛子ですが、これにももちろん美味しい理由が潜んでいるわけです。

梶原さんは、ご自身でも無農薬で唐辛子を作っているのですが、契約している各生産者には、有機肥料を撒く時期などを細かく指導し、その品質を維持できるよう、ノウハウを全て公開しています。

さらに唐辛子の品種にもこだわっていて、いかに辛い種類の唐辛子をいかに辛く育てていくかを考え、常に工夫しているんですね。

赤は、赤い唐辛子を使い、青は緑の唐辛子を使い、合わせは、緑から赤に色づき始めた唐辛子をベースに、梶原さんがブレンドするんです。
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よく、柚子こしょうはどんな料理に使うの?っていう質問を受けるんですが、わたしは、「青」をお味噌汁のなかにほんの少しだけ入れるのが好きですね。使ってみると、思いのほかいろんな料理に使えるんですよ。

あ、それから大切なのは、自宅での保存方法。せっかく鮮度を追求して梶原さんご夫妻が頑張って完成させた商品は、『使い切るまで冷凍保存』が必須。

使いたいときには、冷凍庫から瓶を取り出して清潔な箸やスプーンでサクサクっと必要な量だけ皿にのせ、残りはまた冷凍庫に!

実は、わたしが最初にこの商品を見つけたとき、この冷凍必須ということを知らずに冷蔵保管して、香りや味を落としてしまったんです。みなさんは、わたしと同じことしないでくださいね。
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九州に柚子こしょうのメーカーは数多くあれど、ここまで香り高く、爽やかな辛さの柚子こしょうは、多分ないですよ。自信満々な商品でございますもん。

ぜーーったいにオススメです。
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投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

辛鮮・柚子こしょう<その1>

2005年夏のある日に開催された、至福のバーベキューパーティの数日前、主催者から参加者の数名に、「これ」を持ってきてください、という業務連絡が入りました。

案の定わたしの元にも連絡があり、『あ、いのくちさん?持ってきて欲しいものがあるんだけど』と、ある食材を指定されました。

「はい、もっちろんです。言われなくてももっていくつもりでした!」と即答。それが、これ

わたしね、美味しいものをみつけたら黙っていられない性質なんです。そして、それを味がわかる人たちに、すぐおすそ分けしたくなる習性もあるんです。

この柚子こしょうはね、自慢じゃないが今年のわたしが見つけきた商品のなかでも絶対に5本、いや3本の指に入る逸品。

この柚子こしょうは、レンタカーで九州をめぐっているときに、たまたま巡りあったのですが、最初に口にしたときの衝撃は、いまだに忘れることができませ。

そして、ことあるごとに何人もの食通の知り合いにおすそ分けをしてきたのですが、この商品に限っては「感動した!」の言葉が返ってこなかったことは1度たりともありまっしぇん。

もちろんバーベキューの主催者の方にも贈呈し、あまりの素晴らしさに感動されたようで、『持ってきて』という連絡が入ったわけなんです。

さらに、バーベキューのときも、シェフたちからしっかりお褒めの言葉をいただいただけではなく、3人が3人とも『今度、ボクのとこにも送ってね!』(^.^)とおねだりされ、もちろん贈りますよ!とわたくし偉そうに胸を張ってしまいました。 あ、でもまだ送ってないや。(^^;

そんでもって、今日はこの柚子こしょうの取材で大分に来たのであります。台風で1週間延びたものの、見事な晴天と晩夏の心地よい気候、お気に入りのCDを大音響で聞きながらのレンタカー出張は、わたしにとって、ひとときの至福。

高速をひた走り、お昼前には2度目となる大分の山奥の、田んぼと畑と急な坂道しかない現地に到着。生産者の梶原さんが『道、わかりましたか?何回来ても間違う人がいるから』
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「大丈夫でした。わたし、1度来た道は忘れないんです」 

作業場の中に入ると、柚子の爽やかな香りと青唐辛子の青くツンとした香りが交じり合って、そうなの、この香りなの!この新鮮な香りは、他の柚子こしょうでは表現しきれないのよね。

そして中にすすんでいくと、奥さんが一生懸命に小さな青い柚子の皮を、使い勝手のよさそうな小さな包丁で手早く剥いているところ。

いや、正確には剥きつづけているところ。この作業、めちゃくちゃ大変でして、10個や20個ならまだしも、何百個ですもん。最盛期には朝から晩まで延々と手剥きするのですが、皮の厚さによっても味が変わってくるから注意が必要で、収穫時期によっては、柚子の皮がかなり固くなりすごく大変なんだそう。
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「でも、収穫した柚子はなるべく早く皮を剥いてあげないと」と言われるだけあって、この柚子こしょう作りの最大のポイントは、鮮度。

こ~んなに健やかに育った無農薬の柚子と、、、
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こ~んな鮮やかな無農薬の唐辛子で、作るのだ!
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唐辛子も柚子も、鮮度がよくなければ、こんなにいいものは出来ないんです。そして、この作業場で一台しかない小さな機械に目をやると、そこには出来たばかりの柚子こしょうが!

ぴっかぴかの鮮やかな緑色した柚子こしょうは、瑞々しくてつやつやしていて、あー辛そう!小指で少しすくって、落とさないようにすばやく口に運ぶと、青唐辛子のストレートな辛さと柚子の青く若い香りときりっとした塩の辛さとが一斉に味覚を刺激して、背骨がしゃきーんと伸びて、目がぱっちりとする。それもとっても心地よくぱっちりと開くの。

よっしゃ、それじゃぁ、この柚子こしょうの美味しい理由を、とっくりと教えていただきましょう!

でも、もうひと口、いただいていいですか?もう、わたし、これ、本気で大好きなんだもん!

 、、、、つづく
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ほたるいかの活漬け<その3>

5月下旬の深夜2時。超がんこ船長さんの船に乗り込み、沖へ出ること100m、、、200m、、?300m、、、!?

いや、正確には沖からの距離なんて素人のわたしにゃどのくらいかわからないんだけど、わたしが乗っている船の数倍大きな船よりも、うーんと遠くに来ているのは事実。

ん~、昼間の説明じゃ、こんな遠くまで行くなんて聞いてないんだけどなぁ、とわたしの眉間のシワが、ちぃとばかし深くなる。

(なんだかなぁ。 やだなぁ、、、、。いや~な予感)

北海道の噴火湾で甘えび漁のとき『湾内から出ないよ(^.^)』と言われたのに、気づいたときにはすでに湾外にいて、船が転倒するかと思う荒波に再起不能なほどの船酔い経験が、首筋のあたりをヒヤリとかすめる。

(こんな小さな船じゃ、トイレもないし、わたしカナヅチだし、、)

すると、わたしの不安を読み取ったのか、読み取ってないのか、読み取ってないに違いないが、船は速度を落とし始め一瞬のうちに、エンジン音が消され、どうやら目的地にたどり着いた模様。

そして、わたしを除く3名の漁師さんたちは、無言のうちに、ゆっくりと動き始めた。

ひとりは、船内にある青いプラスティック製のケースにホースを投げ入れて、ポンプで汲みあげた海水を張る。ひとりは、海に放たれているブイと船を、力を込めて結わく。

例の、実はいい人だった船長さんは、二人の手伝いをしながらも遠くで漁をしている大きな船をじーっとみながら、その動きを確かめている様子。

その遠くの船はというと、10名以上の漁師さんたちが定置網をぐいぐいと船内に引き上げ、網にかかっているホタルイカを『トンボ採りの網』に似たでっかい網で、ザクザクとすくっていく。

真っ暗な深夜の海上で、一直線に輝くイカ釣り船の灯り火はいかにも日本海の漁という雰囲気を演出し、少しずつ少しずつ、こちらの船に近づいてくる。

そして、両船の間が10mほどの平行位置になったところで、一体何がおこったのかというくらいの、慌しい勢いでこちらの船の船員さんたちが一斉に動き出した!

大きな船が追い込んできた網のなかで勢いよく泳いでいるホタルイカを、『トンボ採り網』ですくい、さっき海水を張ったケースのなかに、シャボン玉を触るかのようにそーっと水揚げし、海水を勢いよく流しはじめたため、船上は溢れた海水であっという間に水浸し。

水揚げされたホタルイカは、一斉に墨を吐きはじめ、ケース内は一瞬、真っ黒。しかし、流水により、すぐに透明度を取り戻し、青く幻想的に輝きながら泳ぎ回るホタルイカが見てとれる。
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そして、特に元気よく泳ぎ回っているホタルイカのみを小さな網で一ヵ所に集めていく。

通常のホタルイカ漁なら、大きな船がやっていたように網にかかったホタルイカをどんどん水揚げすればいいのですが、この活き漬けに使用するホタルイカは、まさしく『生きて』ないと、意味をなさない。

しかし、ホタルイカは他のイカ以上にデリケートで、水揚げ時の網やホタルイカ同士の摩擦などですぐに傷ついてしまう。また、水揚げしても自分の吐いた墨を吸い込み、あっという間に死んでしまうんです。

それを防ぐために、生きたままのホタルイカを慎重に網ですくって水揚げし、海水を流し続けて与えるダメージを最小限にして、生きたまま捕獲。それがすむと、一秒を惜しむかのように勢いよくエンジンがかけられ、一目散に港に向かう。

もーっ、早いのなんの!あたしゃ振り落とされるかと思いましたがね。

そして、港に到着するやいなや、待ち受けていたカッパ姿のおじさんにケースを手渡し、おじさんはそれを港のなかにある活ホタルイカ専用の生簀に流し込んで、活ホタルイカ漁が終了。

まことに目の覚めるような、あっという間の作業でありました。

こうして水揚げしたホタルイカは、その日のうちに生きたまま無添加の醤油に漬け込んだのが、このホタルイカの活き漬け

自身が吸い込んでいた海水と交換に醤油を吸い込むので身のなかにまでしっかりと醤油が入り込むと同時に、そのコリコリとした食感に、鮮度のよさを感じることができるんですねぇ。
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いい意味で磯臭くって、ダイナミックな味わい。他のホタルイカの塩辛とは、一緒にしないでね!

※品切れの際はご容赦ください。
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ほたるいかの活漬け<その2>

深夜から始まるホタルイカの取材。

だけど、乗せてくれるはずの船の船長さんは、超ヘンクツおやじ。何度話しかけても、全く無視して出港の準備をすすめている。

お願いですよ~、船長さん。こんな夜中に、1人っきりこんな小さな港に残されちゃったら、あまりにも孤独すぎて、溺れ死んじゃうぞぉ。

そして、なかば涙目でふと横を見ると、船長さんの他にもう1人、こちらは普通そうなオジサンが船に向かって歩いてくる。

わたくし、急いでそのオジサンに駆け寄り『あの、わたしこの船に乗せていただくことになっているんですけどっ、、』

『船長は知ってんだろ?』

『は、はい。伺っていらっしゃるはずですが、お返事なくて~』(>_<)

『あん。なら大丈夫だよ』

よかった~~。 このオジサンは人を見捨てるような感じはしないし、いよいよ出発っていうときには、このオジサンに聞いて、無理矢理にでも乗ってやるぅ。。

優しげなオジサンの出現により、多少気持ちが太くなってからは、いつもの調子を取り戻し、船首にとまって毛づくろいしている白鷺と一緒に出港を待つことに。

船にエンジンがかけられ、モーターからはポンポンポンポンッと小船らしいのどかなエンジン音が流れ始めたところでわたしは、やさしいオジサンに『もう乗っていいですか?』と声をかけ、ちょっと大きめサイズの長靴で船にジャーンプ!

つい数時間前まで雨が降っていたせいで、船のあちこちには雨水が残り座るところはないけれど、どうやら港から100mとか150mのところが漁場だっていってたし、超凪だし。船の端っこをもっていれば大丈夫でしょ。

、、と思っていると、突然船長さんがボソッと『そこ立ってると、揺れるからここに座ってな』

おーっ。初めて口きいてくれたよー!それも、優しいお心遣い!いい人だぁ。船長さん。ちょっと無愛想なだけなんだぁ。(*^.^*)

ありがとうございます。こうなりゃ座りますよ。雨ガッパ着てないから、このまま座ると服が雨のしずくで濡れちゃうけど、郷にいれば郷に従え、せっかく船長さんが声をかけてくれたんだからこの際、多少のことは、気にすまい。でも、冷たいっす。

そして、船は沖へ沖へ。え?気づけばもう沖にきているじゃないですか?他の大きな船よりこんな小船が遠くまで出てきていいんですか?わたし、カナヅチだから遭難しても泳げないよ。

大丈夫なん~?実はいいヒトの船長さ~ん。

・・・つづく。

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ほたるいかの活漬け<その1>

泣く子も眠る、ウシミツどき。 腕時計の針は、1時47分をさしている。

5月といえども、この時間の漁港は肌寒く、昨日まで降っていた雨のせいか、ちょっと重めの空気が窓から車内に流れ込んでくる。

レンタカーを漁港に乗り入れ、長靴とヤッケを着込み、さて、行くか!

わたしから少し離れた所に停泊している船には、出港の準備を整え、一服している漁師さんが見えるけど、わたしが乗るはずの船は、2時半までには出港予定とのこと。

う~、緊張するぅ。生産者のおばちゃんが、船長さんゼンゼン愛想ないって言ってたし偏屈だとも言ってたから、急に気が変わって『乗せん!』なんてことになると、休日返上で富山まで来た努力が水の泡、、、。

だけど、5分経っても10分経っても、船長さんは現れない。

15分。20分。他の船はどんどん出港していくのに、この船、準備の何もしてないし、、、。

大丈夫やろか?船長さん寝過ごしてるんやないやろか?それとも、昨日雨降ってたから、漁出るの止めたとか?あーん、こんなことなら昨日のうちに、船長さんと顔合わせしておけばよかったよ。心配や。心配や。心配や。あたし、どうなるんやろ?

25分、30分。あーもう、2時半やんか~。船長さ~ん。

、、、と嵐のような心境のわたしの前に、2時半きっかりに軽トラが横付けし、なかから口を真一文字に結んだ船長さん「らしき」人が船に乗り込み、慣れた動きで出港の準備を始めた。

ホッと胸を撫で下ろし、船に駆け寄り『今日お世話になります、イノクチです。よろしくお願いします!』

と、元気よく挨拶したものの、、、、、おじさん、無視。

『あの、、、今日船に乗せていただくことになっていると思うんですが』

おじさん、さらに無視。

『えっと、、。今日船に、、、。』

わたしが見えないかのように、無視。

え~~っ。どうしたらいいのぉぉ?

そもそもこのひと、船長さんなん?も~っ。おじさーん、へんじして~。

・・・つづく。

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これが漁師のくいもんじゃぁ<その2>

ちょっと変わった色と魚の味がぎゅーっと詰まったじゃこ天の取材のため、わたしは再度、愛媛の八幡浜へ。

待ち合わせ時間に少し遅れて現れた生産者の鳥津さんは、鳥津さんの子供と同じいがぐり頭と爽やかな笑顔が印象的。 うん、このヒトはいい商品作りそうなオーラがある、と長年の勘がわたしに訴えかけている。

「それでは、じゃこ天についてのお話を伺ってもいいですか?」ということで、取材が始まったわけですが、もうね、すごいですよ、このヒトは。じゃこ天のことになったら、前後左右構わず、延々と喋りつづけるんだ!

それもホントに楽しそうに、屈託なく隠すことなく堂々と話をする。確かに、わたしが取材してきた職人たちは、手技うどんの小西さんだって、鰻の江口さんだって、燻製の江崎さんだってみんな機関銃のように喋るヒトたち。

だけど、鳥津さんは、誰よりも楽しそうに喋るのね。だから、わたしもつられていろんな質問を投げかけ、取材初日にしてかなり長い取材になってしまいました。
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わたしは取材のときに、録音テープを回さずメモを取るやり方なんですが、この日ばかりは、テープが欲しいと思いましたよ。

でも、メインとなるのは明日早朝に同行させてもらう魚市場のセリから始まる取材。この日は、とりあえず一旦終了して、明日に備えるために、地元の漁師料理でもある『さつま汁』をひとり飯して、早々に就寝。

で、翌日、鳥津さんにくっついて八幡浜の市場に到着。すると、以前わたしが来たことを覚えていてくれた仲卸の方やセリ人さんも、たくさん話し掛けてくれる。

んでもって、毎度お決まりのように聞かれることといったら、『どっから来たとね?』『なんしに来たと?』『トリツの彼女ね?』(^^;ま、なんでもいいですぅ~。

そして誰かしらコーヒーをくれたり、魚の説明をしてくれたり、ホント八幡浜のヒト達は最初から最後まで寛容なのでした。

しかし、セリが始まってからの鳥津さんは、顔が一転して真剣そのもの。八幡浜は競り上げる方式ではなく、一度しか数字が出せない方式。いわばじゃんけんポン的勝負なんです。

ここでバシッとホタルジャコの仕入れをしたあとは店に戻って、仕込みに入るんですが、ホタルジャコは大人の指2本ほどの小さな魚。
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それを一尾ずつ頭とワタを取り、午前中かけて捌いたあと、熟成させて練りあげて、最後に菜種油でカラリと揚げおわるのは、大体夕方くらいなんですが、鳥津さん、揚げ終わるまで延々とじゃこ天の話をしてました。ホント好きなんだ~、じゃこ天。

それから、鳥津さんは奥さんの晴美さんとも、とーっても仲良し。たまにはチワ喧嘩もお見かけいたしますが、(^^;ハタからみていて羨ましいくらい、相性の良いご夫婦でした。そうなのよね、ヒトって結局は相性がいいかどうかなのよね。

そうそう、それから鳥津さんのお父さんがね、これまた個性的でわたし大好きなんです。一度、お父さんが釣ってきた魚を食べさせてもらったんですが、その旨いこと!旨いこと!

こんな環境の中で生まれた「漁師のくいもんじゃぁ」が旨くないはずがない。魚と塩しか使わない、ホントにシンプルな味ですが、その食感と魚の旨みの引き出し方は、他との比べ様がないオリジナリティあふれるもの。

詳しくは、こだわり倶楽部の記事に譲りますが、個人的には大好きな商品であり、大好きな鳥津ファミリーです。
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これが漁師のくいもんじゃぁ

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これが漁師のくいもんじゃぁ<その1>

わたしが個人的に大好きな漁港、八幡浜の何回目かの訪問時、少し時間がとれたので、長くお付き合いしている干物の生産者のところに立ち寄ったときのこと。

ひとしきり、次号の商品についての話をし終わると、魚の目利きとしてはベテランの菊地さんが『美味しいじゃこ天があるけん、紹介しますわ』という。

おっ!わたしが最も反応する「美味しい」という日本語が飛び出したからには、そのじゃこ天を食べないわけにはいかない。

そこで菊地さんに案内してもらい、そのじゃこ天の生産者の店へ向かい、じゃこ天を買ったあと、菊地さんが店の方にわたしが何者なのかを説明してくれました。

しかしながら、店の方はセコムが通販とかいわれてもどうもピンときてないらしく、わたしもどう挨拶していいものやらビミョーな心境となる。

だってね、何しろ『セコムの食』は知り合いの紹介とか、何かしらの縁故があるから掲載します、というのを一切排除して商品選定をしているから、ここで前向きな挨拶して、商品を食べてみて掲載に至らなかった場合、紹介してくださった方にも申し訳ないし、あと味も悪いですもんね。

だから、その場はお互いよくわからないまま、わたしはその店のオリジナルといわれて渡された、普通と違う色のじゃこ天とともに東京に戻りました。

自宅に着き、ワインを飲みたいと思ったものの、その日の収穫がじゃこ天だったゆえ、ビールを取り出し、持ち帰ったパックの封を開ける。

なんだかねぇ、つみれみたいな色してて、でもじゃこ天っていわれたしな~。でもさ、商品名が『これが漁師のくいもんじゃぁ』なんて、もっとシンプルな名前の方がいいんじゃないの?と、いつもの如くひとり言をいいながら、パクッと食べた瞬間、、、。「あ、旨い!」

「ちょっとこれ、焼いたほうがいいね。生姜あったかなぁ、、。」と更にひとり言をいいながら、オーブントースターで数分加熱して、再度口に運んでみる。

「まいったなぁ~。旨いわぁ、これ。明日、会社に持っていかなきゃ。他のスタッフにも食べさせなきゃ!でもなぁ、もう一枚だけ食べとくか。な!」

、、ということで、翌日会社で試食。すると案の定、責任者のヨシダさんも旨い!という。そこで改めてこのじゃこ天の生産者に連絡を取り、また大好きな八幡浜に向かうことと相成りました。

松山空港でレンタカーをピックアップし、もうすっかり走り慣れた道をお気に入りのCDと一緒に快適に走る。すこーんといい天気で青い空にぷかぷかと浮かぶ雲が、流している音楽ととても合っていて、ご機嫌なまま時間通りに現地に到着。

そして店の前で「失礼しまーす」と何回言っても、だれも出てこない。約束したのになぁ、、と思っていたら、中からお店の方が『今日だっていうのは分かっていますから、もう少しで戻ってきますから』とのこと。

待つことしばし。数台の自転車が勢いよく止まる音と野球のユニフォームを着た子供のにぎやかな声のまんなかにいるのが、あ、鳥津さんだ。 子供と同じ坊主頭だ。

『すんませーん。お待たせして。子供と外に行っとりましたけん。』うん、見たらすぐわかります。(^^;

さて、では美味しいじゃこ天について、お話を聞かせてくださいね。

・・・つづく
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これが漁師のくいもんじゃぁ

投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

王さんのえび湯葉しゅうまい&えび豚しゅうまい

先日、知人宅で行われたホームパーティに参加したとき、わたしは「セコムの食」の掲載商品を披露するという任務を引き受けました。

そこでわたしはMy冷蔵庫に眠っている数々の商品をいくつか持参し、舌の肥えた方々に味をみてもらいました。

もちろんどれも高い評価を得たんですが、なかでも『王さんの水餃子』は具はもちろんのこと、皮が美味しいと大好評。

そうなの!美味しいのよね。美味しいの。でも、わたしにいわせると美味しいのは当たり前。だってね、完成まで2年かかった皮のなかには具材と同じ量の”黄金のスープ”が練りこんであるんですもん。

丸鶏(ガラではなく丸のまま)と豚肉を朝からじっくりと、沸騰させないように煮つめて取り出した黄金のスープは、飲ませてもらうと、ゆっくり滋味がふくらんで、ガツン、ではなく、ふわ~っとした旨み。だから各具材の個性を引き立てつつ、複雑な味わいへと導くのであります。

王さんは、関西の有名中華料理店の総料理長まで務めた方でかなり頑固なシェフ。だけど、料理に対する姿勢は一貫していて、美味しいものを作ることに妥協のない方。

だけどね、カタログの掲載依頼で、初めて王さんに連絡を入れたときには、いきなり拒否されてしまい、翌日あわてて朝イチの新幹線で神戸に飛んでったんです。

そして、王さんを目の前に「セコムの食」のことをじっくりと説明して、納得してもらい、厨房を取材させてもらい、今に至るわけですけれども。。。。今では、王さんはわたしのことを、ありがたいことに、まるで我が娘のように、優しくしていただいています。
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「弟子や家内にさえ教えたことがないヨ」といいながら、水餃子のレシピを教えてくださったときは、その信頼の厚さにウルウルしてしまったのですが、実はわたくし、この水餃子よりももっと好きなものがあるんです。

それが、これ

ここで質問。わたしはどうしてこの商品のほうが王さんの水餃子よりも好きなのでしょう?

単純に好みだから?カロリーが低そうだから?はたまた、電子レンジ対応の蒸し器で簡単に作れるから?さて、何だと思います?

じつはね、このえび湯葉しゅうまい&えび豚しゅうまいは、王さんとわたしにとって、思い出深い商品なんです。

王さんを2度目に取材したときに、『今、自分のなかであたためている商品がある』と言われ、それは湯葉を使ったしゅうまいなんだ、と。

「美味しそうですねぇ。完成したら是非、食べさせてくださいね」と何気なく言ったら1ヵ月ほどして会社に試作の湯葉しゅうまいが、発泡スチロールに守られて届けられたんです。

もちろん、早速試食。カチカチの冷凍で、ドライアイスのような冷気をまとっているしゅうまいを、蒸し器にいれて蒸かしていくと、ころんと単に白かったものが、だんだんと息を吹き返すように湯葉に淡く黄色が戻り、えびが愛らしい赤味を含んできた。

食べてみると、乾燥湯葉の独特の弾力と海老のプリプリッとした食感が何とも調和していて、海老と海老との間には、噛むとキュッと旨みを排出する程よい大きさの豚の背脂が詰まっている。蒸してあるから、余計な脂分は湯気とともに削げ落ち、食材の旨みだけが残っている。

一方、えび豚しゅうまいは、何の躊躇なく海老と豚の旨みをバチッと対決させていてえび湯葉しゅうまいの繊細さに対し、しっかりと濃く、強い味わい。こちらは皮は湯葉ではなく、小麦粉。 豚と小麦粉は相性いいもんね。

こんなに完成度が高い商品だってことは、王さん、きっと何度も何度も試作を重ねたに違いない。あの性格だもん、絶対そうだよ。

わたくし、すぐに王さんに電話して、採用させていただきたい旨を伝えました。すると王さんは『そうか、よかった。あれは、あんたにあげようと思って作ったんだから』 とおっしゃるではないか!

え~っ、長年あたためていた商品を、こんなわたしに?「セコムの食」でご紹介させていただけるんですか?大変だ!また取材に行かなきゃ!行きますよ、すぐに!王さんに会いに!

そして再々度、王さんの元を訪ね、今度はしゅうまいたちの取材。王さんの仕事は、ホントに丁寧で、その下処理の積み重ねが美味しさに反映しているのがよくわかる。

で、王さんとの会話のなかでわたし、つい「海老がもう少し大きければもっと美味しいのかもしれないけど、贅沢はいいません」(^.^) と言ってしまったんですね。すると王さん、価格はそのままに使用する海老をもっと大ぶり品種に替えてくれたんです。なんという職人気質。

そのうえ、「セコムの食」にえび湯葉しゅうまいが掲載されてからというものいろんなデパートなどからえび湯葉しゅうまいを、取り扱いさせて欲しいと強い申し入れがあったそうで、今でもあるそうなんですが、『あんたと約束したから、他には出さん。全部断ってる』 とのこと。

百貨店に出せば、すごい販売個数になるのは間違いないのにそれでも、『約束したから』と言ってくれる王さんの思いが、わたし嬉しくて。これが、わたしがえび湯葉しゅうまいに一方ならぬ思いがある理由です。

ちなみに、わたしの家の冷凍庫にはえび湯葉しゅうまいが、まだ数袋眠っていて、今朝も3個ほど食べてきました。

冷凍の海老って、みずっぽくなってしまう場合もあるんだけど、このしゅうまいは、口の中でプリプリと弾けるように身が張っていて歯を入れるのが、限りなく楽しいの。そのうえ、背脂と香味野菜が海老の美味しさに華を添えているので、朝からでもゼンゼン重くなく重くなくと言うよりは、ホントにあっさりとパクパク食べれちゃうの。

王さんの水餃子とえび湯葉しゅうまい。さて、次はどこのホームパーティに持っていこうかしらんん?
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投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

沖縄の3つの島のかちわり黒糖<その3>

超ハードな沖縄諸島の出張、一人旅。しかもトラブル続き。まず、養豚場で豚の匂いが服にしみこみ上着が使いものにならなくなり、それなのに、春というのに冬に逆戻りの、肌にしみるような寒さ。

さらにシケで船が欠航し、取材先の島に渡れなかったりと大変な旅だったけど、なんとか沖縄本島-石垣島-西表島-小浜島を取材。そして今、やっと石垣島に戻ってきて、東京に戻る、、、予定だったのですが。

やっぱり、心残りは船の欠航で取材できなかった粟国島(あぐにじま)。いまから急きょ、取材先へのアポイントや飛行機の手配など大変だけど、でもチャレンジしないで帰るのは、やっぱりもったいなくって仕方ない。よーし、粟国島に行っちゃいましょう!

石垣島に到着した後は、他の観光客がのんびり歩くのを尻目にかなりうるさい音を立てながら、キャリーバッグをゴロゴロ引っ張り、幹線道路に出て、最初に目に留まった「空車」マークのタクシーに思いっきり手をあげる。

『空港まで、お願いしますっ』と告げたあと、携帯で飛行機の空席状況をチェック。よし、大丈夫みたい。

空港カウンターで石垣島から沖縄までの予約を早い便に替えてもらい新たに那覇-粟国島の往復も予約。

あとは、生産者からの連絡を待つのみ、と思った矢先にタイミングよく連絡が。『工場は稼動する予定だけど、量は少ないよ。畑も見れる』

了解です!伺います、明日。

、、、ということで、那覇空港に着いたあとは、空室検索してビジネスホテルにチェックインし、夜は美味しそうなレストランを探し、ひとり飯。

「ひとり」を「独り」と思ってしまうかしまわないかが、この仕事を楽しめるか否かの差なのよね。それに、ひとりには、だれにもペースを乱されない自由があるんだもんね。

そして翌朝、部分的に快晴の空に向かって飛び立つべく、再び空港に向かい、チェックインカウンターに行くと、なぜか荷物を含めた体重を計られ、席は自分で決められないという。なんで?ようわからんけど、まぁいいや。

飛行機まではバスで移動というので、指定されたバスに乗り朝早いゆえ、なにも考えずぼーっとしていたわたしの目の前に現れたのが、写真の飛行機。
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あまりにも小さいから、乗客の体重を分散させるため席が選べないんだね。それにしても、目の前にパイロットの頭があるというのは、なんともビミョーな心境で、飛び立ったあとも風が吹けばふらりと揺れ、その揺れ方にかなり恐怖心が伴う。

スリルあっていいんだけど、帰りもこの機なんだよね~。

かなり不安に思っているわたしの気持ちなど知る由もなく、ベテランパイロットの巧みな操縦技術で無事粟国島に到着。

空港には、確か迎えに来てくれている工場の方が、、、だれもいない!沖縄のひとはのんびりしてるからなぁ、、と少し待ったけど迎えに来てくれている気配は、四方1キロくらいに耳を澄ませても聞こえな~い。

しょうがないので、製糖工場に電話したら、なんだか大慌てで誰かを迎えに遣すといわれ、10分後くらいに一台の車が到着。なんだかこの取材、プロペラ機以上に不安だなぁ。

そしてこの不安は的中してしまい、案内された工場は稼動しておらず従業員さんもいない。またまたなんで?

すると責任者の方が恐縮しながら『いや、ホントなら稼動しているはずだったんだけど、従業員のひとりが体調を崩してしまって、手が足りなくなったので今日は、やめにしたんだよ』 とのこと。

「セコムの食」のスタッフも、実はたった3人しかいないから、ひとりが背負う任務は確かに重いけど、でも、ひとりが体調を崩しただけで大きな工場の稼動をやめてしまうのも、なんちゅうか、のどかというかアクセクしてないというか、わたし的にはとっても困るんだけどなぁ。(^^;

でも、幸いにも、わたしにはこれまでに何ヶ所も製糖工場を取材してきた経験がある。それも昨日取材したばかりの、ほやほやの知識だから工場にある機械を見て工程を聞くだけでも、大体の状況がわかりました。

粟国島は、今回ご紹介している黒糖のなかでも一番、昔ながらの製法で黒糖を作っている工場。減圧機もないし、炊き釜もレトロ。かなりの部分、手作業で職人さんたちがひと釜ごとに炊き上げているとのこと。

そのあと、サトウキビ畑に案内してもらうなかで、工場長の小橋川さんが面白いことを教えてくれました。

『粟国島は、四方に防風林がないから、台風がきたらサトウキビ畑は大量の海水を浴びるんだよ。その海の塩水をたっぷりと吸った土で育つから、この島の黒糖は、どこか塩っけがあるんだね』

なるほど!たしかにミネラル豊富な印象が、あるあるある!サトウキビは、収穫後、刻々と鮮度が落ちるから、島から島へサトウキビを移動させることは不可能で、だからこそ、その島ならではの味わいが出てくるんですよね。

粟国島の真っ青な海と空に育てられた黒糖は、レトロな作りゆえ茎の香りがほんのり残り、味わいはミネラルを感じる爽やかな甘さ。頑張って、来てよかった!空も青くて気持ちいい~!

さて、なんやかんやとあったけど、結果的には楽しい取材だったなぁ。では再度、あのプロペラ機に乗って、東京にもどるぞー!

、、、おしまい。

投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

沖縄の3つの島のかちわり黒糖<その2>

『今月を逃したら、あとは冬まで製造しませんよ』という生産者からの連絡を受け、ぎりぎりのスケジュールで向かった、沖縄。

本島のほか、粟国島、石垣島、西表島、小浜島を一気にまわるかなりタイトな取材なのに、なんと粟国島への船がシケで欠航!

飛行機という手段は残されているものの、粟国島から戻る飛行機が欠航してしまうと、今回のスケジュールは、すべてアウト。

どうしよう。どうしよう。とりあえず、モノレールで空港に向かいながらも、頭の中は整理できず粟国島行きの空港カウンターの前で、さらに思案。

ん~。ん~~。ん~。ふぅぅ。しゃーない、このまま石垣島に行こう!リスク分散型スケジュールを選択!

それから、同じフロアの端にある石垣島行きのカウンターに走り、「次の便、空席ありますか?」セーフ、空いてるっ。

ランチを食べる暇もなく飛行機に乗り、空路約50分で何度も降り立った石垣島へ到着。

石垣島は、わたしがこれまで訪ねてきた取材先の中で、3本の指に入る大好きなところ。癒しの風が流れてて、海は綺麗だし、気候もいい。

・・・はずなのに、この日は今までの石垣島とはぜんぜん違ってた。空は鉛色、癒してくれるはずの風は霧雨を含んでいて、なにしろもう、沖縄とは思えないくらい、寒い!!

なのに、昨日の養豚場取材でしみついた匂いのせいで、たった一枚の上着は、使いものにならないの~。着れないの~。あ~ん、もぅっ。

たしか石垣島は今日、海開きだったはず。なのに開くどころか、折りたたんで仕舞いこみたいくらいの肌寒さはいったい何なの?

明日だって、船で石垣島と小浜島に行くのに、また悪天候で欠航なんて、そんなのありえない!

まぁね、でもここでいくら思いをめぐらせても仕方ない。気持ちの切り替えと開き直りが早いのが、わたしのとりえ。

せっかく大好きな石垣島に来たんだもん。美味しいものを食べなきゃ、と八重山そばを2軒、その後、予定通りひとり焼肉&例の居酒屋。

そして、翌朝。空はすっきりせず、相変わらず寒いものの、船は石垣島を無事出港。ね?案ずるより産むが易しなのよね。

最初に向かった西表島には、さとうきびの生産者の方が待っていてくれてそのまま、島にひとつしかない製糖工場に。

さとうきびの収穫に合わせて、冬季しか稼動しない製糖工場は、そろそろ今年の役目を終えようとしているところで、少しのんびりとした雰囲気に包まれている。

この島で育てているサトウキビが数種類あることや、農家に糖度の高いサトウキビを育ててもらうための工夫などを取材した後に工場視察。西表島の黒糖は、他のものと違って四角い形をしているんですが、それは、右の写真のように切り分け作業をしているからなんです。
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一連の取材を終えて、一服お茶をいただき、さて、小浜島行きの船に乗るべく、港に向かったんですが、まだ時間があるということで島内を少し案内してもらうことに。

西表島は、ワイルドな自然に溢れた島で、天然記念物のイリオモテヤマネコや、カンムリワシがいる島。この日もカンムリワシが空を悠々と飛んでいるところを発見。キリッとした目がかわいかったなぁ。

さて、次は小浜島ね。

小浜島は、NHKの「ちゅらさん」の舞台になった小さくて穏やかな島。昨年も取材した製糖工場なので、遠くから見える煙突も懐かしく工場に働くおじさんたちも、知った顔がたくさんいて『久しぶりだねぇ』なんていわれると、覚えていてくれたことがとても嬉しい。

小浜島の黒糖は、甘さも苦味も穏やかで、その味は島の雰囲気と同じやわらかさがある。現地で、できたての黒糖をひとかけら食べて、うん、そう。 この甘さが、いいのよねぇ、、と、また一つパクリ。(^~^)

サトウキビ畑を一周して、空はまだ雲ってるけど回復してきていて透明な風が、なんとも沖縄らしくゆったりと流れている。やっぱりいいなぁ、小浜島は。

さて、では戻るか、と日が傾きかけたころには石垣島行きの船のなか。だけど、わたしの頭の中には、常にあの島のことが残っていてつぎつぎと各島の取材を終え、気持ちにスペースができるたびにその存在が膨らんでくる。

やっぱり、行こう!明日、粟国島!

今日は日曜だからのんびりした沖縄の生産者に連絡が取れるかどうか、それに朝イチの那覇-粟国間のエアーチケットも空席あるかわかんないし、明日、東京での予定も全て変更しないといけないから、大騒ぎだけど。

でも、いろんな島の黒糖を取材して、その島ならではの味をみてきてやっぱり、どうしても粟国島に行きたいとおもうの。そして、思い立ったらなんとしても実行するのが、わたしでしょう!

よし! 船を降りたら、まずは明日のエアーの確保からだ!わくわくしてきたぞ~!

・・・つづく。

投稿者 news : 2006年03月13日 | 2005年セコムの食取材日記 | コメント (0)

沖縄の3つの島のかちわり黒糖<その1>

性格上、わたしはいつでも慌しいのですが、特に年4回発刊するカタログの制作時期には、それがさらに増し、お上品な言葉が消え、眉間にシワができ、なんとなぁく、隣に座っているヨシダさんがわたしとの会話を避けるようになる。

原稿締め切りまでの日数よりも、取材先の数が超えるのはいつものことで、そうなると、土日に休みたい、などという発想すらなくなり、ひたすら一人で生産者のもとを訪ね、レンタカーで全国を旅するのであります。

そして、その取材が幸か不幸か、いや絶対に幸なんだけど、あまりにも楽しくてすっかりこの仕事にハマってしまっているのですが、でもそれでも忙しいには変わりない。

そして「あ~、もう忙しい、忙しい。わたしがもう10人欲しい!」と大騒ぎしていた2005年3月。

『今月を逃したら、あとは冬まで製造しませんよ』という声に弾かれ、なんとかギリギリで都合をつけ、向かった先は、沖縄の島々。

2004年夏号では、たった2日間で完売した小浜島の黒糖。その反省を踏まえ、今回は確保数を倍以上に増やし、小浜島の他に西表島と粟国島の黒糖を加えた、3つの島のセットにバージョンアップすることに。

その現地取材のために、今年の初めには沖縄に向かうはずが、3つの島の製糖工場との調整がうまくいかなかったり、昨今の天候不順で出発を延期しているうちに、気が付けば3月。

それも『少しはゆっくりできるかも (^^♪』というかすかな期待とは裏腹な、休日返上の、恐ろしく過酷なスケジュール。

出張当日、沖縄だしね~♪、と薄めの服をバッグに詰め、羽田に向かい、搭乗。 約2時間の快適な空の旅のあとに那覇でわたしを待っていたのは、ため息が出るほどドンヨリ~の雲。でも、まぁ、負けるまい。 大丈夫だ。

ホントならこのまま乗り継いで石垣島に行くはずだったんだけど、先方との調整ができず、この日は、わたしが大好きなこの商品のところにも顔を出すことに。

らふてーの2度目の取材になるこの日は、今後の新商品についての打ち合わせと、畜産加工場や豚舎を数ヶ所取材することに。
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でも、ここで生産者の宇良さんから提案が。『うちが今、セコムさん向けに提供している豚肉の豚舎に行くとすると、いのくちさんの今回のスケジュールだとちょっと厳しいので、今日は近場の豚舎や畜産加工場を何ヵ所か見に行くことでいいですか?』

そうですね、じゃ、そうしましょう。 ということでこの日は、元気な豚の肥育現場を取材することに。

清潔な豚舎あり、ビミョーなところもあり、幻の豚といわれるアグーの原種と他の豚の違いなどもいろいろと飼育農家さんから教わり、「沖縄の豚肉ならわたしに任せて!」的な心境にもなりました。どうしてすぐ調子にのるかな、わたし。

で、宇良さんと別れ、ホテルに帰って、ひとりご飯しながら、明日の予習。

まず、朝イチの船で粟国島に渡り、粟国島の製糖工場やサトウキビの収穫現場を取材、午後には飛行機で那覇にトンボ帰り、そのまま夕方遅くには石垣島行きの飛行機に駆け込む予定。

石垣島では、ひとり焼肉を堪能し、例の居酒屋にも行っちゃおう!
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そして翌日は、これまた朝イチの船で西表島に向かい、各所を取材。午後からは小浜島に移動し(もちろん船)、同じくできるだけ多くの方から話を聞いて、その足で石垣島に戻り、空港から那覇経由で羽田に向かう。

ふぅぅっ。息つく暇、多分ないし、どこかの船に乗り遅れでもしたら、このスケジュール、とんでもないことになりそう。今日は泡盛も控えめに、ゆっくり寝るかな。。。zzz。

で、翌日。

起きると小雨で、思ったよりもぜんぜん寒い。東北の秋みたいに寒い。慌てて、昨日着ていた上着を来ようと思ったら、、、、ぎゃーーっ。 豚舎の匂いが泣きたいほど染みついてるっ!! (@_@;)

きのうずーっと豚と居たせいだ。これじゃ上着が着れないよぅぅ。明日が沖縄の海開きっていうから、上着一枚しかもって着てないのにぃぃ。さぶい~~っ。

あーん、でもしょうがない。悩んでる時間も服もない。急いでチェックアウトして、タクシーに乗り「フェリー乗り場まで、お願いします」。

乗り場では、いくつか窓口があり、それぞれ切符を売る女性が座ってる。まだ時間はあるけれど、一応、出航時刻の再確認をしようと、『粟国行き』と書かれた窓口に向かうと、、。

えーーっ。欠航??うそーっ。冗談でしょ?だって波、荒れてないじゃん!!

「ホントに欠航なんですか?なんで?次は?」と矢継ぎ早やに質問するわたしに、窓口の人は、沖縄らしいのんびりした口調で、この辺りの海は荒れてはいないが、途中がかなり荒れていて、今日はもう無理と告げる。

じ、じゃ、飛行機は?確か、今から空港に行けば、間に合うはず。朝イチ便は満席だったけど、2便ならなんとか乗れるかも。慌てて、近くの公衆電話から運行状況を確認すると、一応は飛ぶ予定だという。だけど、帰りの便が欠航になる可能性が高いともいう。

どうしよう、どうしよう。粟国島に渡るのは、10人乗りくらいのプロペラ機。運よく、粟国島に渡っても、戻ってこれなきゃ、昨日予習したスケジュールは、全てパー。

とりあえず、落ち着きを取り戻すためにも、ヨシダさん(上司)に携帯からメールして、現状報告。 土曜で休んでいるところ、申し訳ないなぁ。。。。すると、ヨシダさんから折り返しすぐに電話が鳴り、『大丈夫かぁ?』

第一声を聞いて、わたしの上司って、なぁんて優しいんだろ~!と思ったんだけど、その後話していると、どうやらニュアンスが違う。

わたしの置かれた状況を、ぜっ