鳴門漁師のわかめ<その2>
鳴門の海を心から愛する漁師、村公一さんが育てる若布は、強くたくましく、歯ごたえ抜群の一級品。先日行われたカタログの撮影でも、その存在感はオカシラ付きの鯛とも堂々と肩を並べるほど。撮影が終わった後、わたしたちスタッフは残った商品をできるだけ持って帰るようにしているのですが、(愛すべき商品を捨てるなんて、間違ってもできない!)今回の一番人気だったのが、なにを隠そう、この若布だったんです。だってね、乾燥若布だから保存は利くし、軽いし、なにしろ旨い!この若布をお味噌汁なんかにいれたら、もうその他の具がなりを潜めてしまうくらいの存在感。酢の物にしようものなら、その実力を如何なく発揮して、旦那さんに『おい、この若布、どうしたんだ?旨いじゃないか』と誉められること間違いなしの、他の追随を許さない実力派。

では、その若布はどのように作られているのか?
まず、一番大事なこととして、間違いなく鳴門で育った若布だということ。海外産のものを、同地でパックしなおして『鳴門産』と銘打ったもの(結構多いのです)ではなく正真正銘、鳴門の荒波にもまれた、雄々しき若布は、色も味も違うんです。
次に、村さんのこだわりとして、鳴門に昔から伝わる『灰干し』の製法を取り入れているということ。灰干しとは、収穫した若布に灰をまぶすことによって熟成を促し旨みを凝縮させ、より一層力強い歯ごたえにするためのもの。ただし、現在では灰の使用が法律で禁止されているので、その代わりに炭の粉を使って、製法はそのままに美味しい若布を作っているんです。
2003年の春に村さんを訪ねたときには、炭をたっぷりとまとった若布が太陽の光をたっぷり受けながら、浜辺で気持ちよさそうに寝そべっていました。ある程度乾燥させた若布は、順番に熟成用のハウスに移され、村さんが『よし、いいぞ』というまでカリッカリに身を締めていくのですが、若布を扱うときの村さんの手は、魚を扱うときと同様、ホントに優しい。この人は、ホントに鳴門の魚や若布を愛しているんだなぁと思います。『若布は趣味でやってるんですぅ』という村さんの言葉を証明するように、熟成を終えて出荷するときの検品も、人任せにせず村さん自身が行います。検品に立ち会ったときのこと。
いの 「えーっ、こんな立派なのも、はじくんですか?」
村 「あぁ、そうなんですぅ。ほら、これここに色ムラあるでしょう?」
いの 「いや、言われればなんとなく。でもこれ、ホントーにはじくの?」
村 「そうですわ。いやね、普通は出すんと思いますけど、これを出すのは、なんかね、私が納得せんのですわ。」
へぇ~。まいりました。頭が下がります。この若布、わたしたちが誠心誠意、ご紹介させていただきますね。ホントに旨いですよ、この若布。溢れんばかりの磯の香りと、他の若布では味わえないほどの食感。絶対おすすめです!
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投稿者 news : 2005年02月15日 15:13 | 2004年セコムの食取材日記
