スピカのこだわりパンセット<その2>

オーガニックレーズンを使った自家製の天然酵母で発酵させるスピカのパン。そのスピカのパンが「セコムの食」に登場したのは、創刊まもない1998年冬号なのですが、実はスピカのパンをカタログに掲載できるようになるまでには、わたしなりの苦労がございました。

約6年前の当時。「セコムの食」の創刊と同時に他部署から異動して、食の担当となったわたしに、当時の責任者がこういう質問をしました。『いままで自分で食べてすっごく美味しいと思ったものの中で、うちのカタログで是非紹介したいと思う商品は、ある?』「はい、、、、えーっと、、あります。」 といって一番に挙げたお店がスピカだったんです。『では、そこに交渉に行ってください』と言われ、早速スピカに連絡をしたのですが、ここから先が、大変な道のり。 (@_@)  

p_spica_02_03.jpgまず、店主の降矢さんが電話でつかまらない、電話の対応もそっけない、忙しくて時間がないといわれる。『ないない』ずくしのなかやっとお会いすることが出来たんですが、降矢さんご夫婦の対応が、お客さんとして来店していたときとあまりにも違う!とくにお店のオーナーである奥さんの恭子さんの態度がめちゃ冷たい。気を許そうとしてくれないし、『うちは、外には売りません。』の一点張り。なんで?なんでぇ?どうしてぇぇ?何がどうダメなのかが、わかんないよぅ。それとも、セコムが嫌いなんかなぁ?のれんに腕押しっていうのは、こういう時に使う言葉なんやろなぁ。でもなぁ、ホント、好きなのよ、ここのパン。うぅぅ、ぐすん。

こういうとき、どうしたらいいんだろ?

生産者を何百件と取材してきた今なら、また違ったと思うんですが、なにしろ初交渉の生産者ですからね、食品の知識もほとんどなく“美味しかった、紹介したい”の図しか、頭になかったので言ってみれば、勢いだけで告白してしまった、中学生の心境ですよ。

で、ほとんど断られている状況のなか、最後にここにきたいきさつを話したんです。もう、いいや、これで帰るよ、、、。トボトボとさ。

p_spica_02_05.jpg「わたしね、スピカのパンがとても好きで、前々から車で20分くらいかけて買いに来ていたんです。それで、このカタログの担当になったとき、責任者から自分が好きな商品をカタログで紹介しなさい、って言われて最初に来たのが、ここだったんです」もう、打ち明け話的に、ポツリと、、、、、。しょうがないですね、、、。あきらめます、、、。残念だけど・・・。と、言った途端、降矢さんの表情がやさしくなったんです。『そうだったんですか。それはとてもありがたいことです。そんな形でうちのパンを思っていてくれていたバイヤーの方は初めてです』そして、どうしてそこまで頑なだったのかを話してくれたんです。

それによると、スピカはパン好きには結構有名なパン屋なので、いろんなデパートや通販会社から散々アプローチを受けていたのだそうです。でも、そのいずれの場合でも、販売者側の条件を押し付けてきて、売ってやるんだから、、、みたいなニュアンスで溢れていたそうなんです。毎日○○個は出してください、とか、自分たちの出荷を優先してくれとか決してパンのことを見てくれているのではなく、スピカの名前だけを使いたいというところばかりだったそうです。

スピカは、そんなお店じゃないんですよね。一つ作るのに、そりゃもう大変な時間と上質な材料を使っているので、大量生産なんて、できるわけないんです。

だから、そんな販売会社に辟易し、「セコムの食」もどうせ同じなんだろうと思って、話を聞く気にもなれなかったのだそうです。『でも、そういうところとは、違うようですね、セコムさんは。わかりました。そうでしたら、私たちも前向きに考えてみますね』そう言ってくれたときの、嬉しさったら今でもよく覚えています。その後の交渉の結果、なんとかかんとか掲載にこぎつけることができたのですが、ここから先がまた、大変だったんです。

開店以来始めての通販で、スピカ自身がとても不慣れだということもあり、また、無理をして作ってパンの質を落としたくないということを踏まえてカタログのなかで「お待たせすることがあります」と注釈を入れたのですが、予想以上の大量注文がスピカに入ってしまい、ホントにとんでもなくお客様を待たせることになってしまったんです。私の記憶によると、最も長く待っていただいた方はたしか1ヶ月半以上。もう、担当のわたしとしてはお客様に対して申し訳なく、カスタマーセンターから来るご注文集計表をみながら胃がキリキリしていました。

果たして、掲載してよかったのかなぁ?お客様にもスピカにも、プラスになったのかなぁ?と、ホント冷や汗。でも、お客様からいただくアンケートハガキの感想欄には、ホントにひとつとして悪く言う方がなく、『1ヶ月以上待ったけど、待った甲斐がありました。ありがとう』という内容をたくさんいただいたんです。よかったよ~、よかったよ~。だってね、ホントにわたしスピカのパンが好きなの。だから、それを皆さんにも味わって欲しかったの~。

今ではすっかり、定番商品として続投しつづけているスピカのパンは、季節ごとに特徴のあるパンを交えてご紹介しています。いえいえ、スピカだけじゃなく、すべての商品に、こんなエピソードが山ほどあるんです。それが「セコムの食」なんですのよ。でも、、、、、あれ?今週号って、それぞれのパンの味の紹介をするんじゃなかったっけ?あちゃ~。味の紹介にまで辿り着かなかったよ。 (^^;
<降矢さん>のこだわりを余すことなくご紹介
こだわり倶楽部

投稿者 news : 2005年02月15日 12:22 | 2003年セコムの食取材日記

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