小西名人の古式手技うどん<その2>
午前3時。ミキシング機から出された生地は、まさにでーっかい真綿布団のよう。それを直径20cmほどの太さに包丁で切り出して、直径1cmにも満たないうどんにまで延々、延々と延ばしていくんです。ちなみに生地に包丁をいれるのは、手延べうどんの場合、この1度きり。

そしてその後は、小麦に含まれるグルテンをなだめては延ばし、延ばしては熟成させて、約半日をかけてあの細さまで仕上げていくんです。途中で生地が切れてしまったら、そこでグルテン自体もぶっつりと切れてしまうから、延ばして延ばしてのば~しながら、麺も職人もそこには忍耐という2文字を背負いながらの作業なんです。
それに、生地はまさに「いきもの」だから、気温が高すぎても生地がまとまらないし、低いと伸びないし、湿度が高い日なんかは、ことさら麺が職人の気持ちに沿った動きをしてくれない。その上、小西さんはグルテンが低くて伸ばしにくい小麦粉を使っているもんだから、他の職人さんが同じ粉で同じように延ばそうと思ってもまず、無理なんですって。
何故そんな粉を使うかというと、もちろん仕上がりが断然美味しいからなんですけどね、それにしても小西さんは、頑固職人を絵に描いたような性格。とても還暦を過ぎているとは思えないほどの体力と、たくましい精神力、そのうえ元旦生まれ、といわれて、何故か小西さんらしい誕生日だと思ってしまうのも、あの明るさゆえでしょうか。
おっと、そうこうしている間にも、延びてきましたよ、麺が!成長したウナギくらいの太さになってきたらごま油を塗って、さらに延ばして、延ばして、ふぅぅ、、、さらに延ばしていくんです。そして次は麺を木箸にかけて、干して乾かす作業に移ります。
つづく。

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投稿者 news : 2005年02月15日 12:22 | 2002年セコムの食取材日記
